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 僕達が飛び神さまの祀られた丘陵にて、どうしようか考えている時だった。


「居たぞ!!」

 集落の人々が武器を片手に次々と集まってきて、僕たちはたちまち包囲されてしまう。


「飛び神さまの祀る場所とは、おのれケガレめなんて不届きな!!」

「ちょっと、ひどい!」

 新たな災厄となるって話なのに、いつのまにかケガレ扱いされてるし!

 どうなってるの……。


 というか、この人達。

 なんだか目つきが怖いぞ。

 初めて集落へ来た時も警戒されていたけれど、こんなんじゃなかった……。


「ねえまふにゃん、あなたがお願いしてみて」

「おいらがやるにゃ……?」

 僕が集落の人たちの狂気にあてられていた最中。

 リリィお姉ちゃんはそっとまふにゃんへ近づき、僕たちにしか聞こえないくらいの声でそっと話しかけた。


 確かに、巫女のまふにゃんなら、飛び神さまへ願いを届けることが出来るかもしれない。

 ”理を知りし命を生み出す者”が、集落の巫女って意味だったら……だけども。


「でもおいら、何も出来ないしまた失敗したら……」

 まふにゃんは今まで周囲に期待をかけられてきて、それに答える事が出来なかった。

 僕とまふにゃんが出会ったのはほんの少し前だけど、僕なら今の彼女の気持ちが分かる。


 だったら、僕が今出来る事は……!


「まふにゃんなら――」

「まふにゃんなら、きっと出来るよ!」

 リリィお姉ちゃんが、何かを言いかけようとした時だった。

 僕は一歩だけまふにゃんに近寄って、僕達を殺そうとしている集落の人たちにも聞こえるくらいの大声で、そう言い放った。


「ご、ごめんお姉ちゃん……」

「ううん、いいよ。偉いねタロ君」

「ありがとう……」

 言葉を遮られたリリィお姉ちゃんは、僕を叱るどころかいつもの笑顔で褒めてくれた。

 こんな状況だけど、やっぱり嬉しい。


「わかったにゃ、やってみるにゃ」

 僕の思いが届いたのか、まふにゃんはそう一言だけ告げると、先ほどリリィお姉ちゃんがやったように胸の前で手を組み、目を閉じて祈りを捧げた。


「馬鹿かあいつは! 集落一番の落ちこぼれマーフィが、飛び神さまの助けを受けられるわけもないだろう!!」

「どうせ失敗するだけだ」

「所詮ケガレだな、頭も悪い」

 原住民なお前らに言われたくないやい!!


「僕はまふにゃんを信じる!」

 そうだ、他の人がどう考えているかなんて関係ない。

 まふにゃんならきっと出来る、だって僕の仲間だから!


「信じるって……」

「やっぱり馬鹿だな」

「さっさと殺してしまおう」

 集落の人たちは、無情な言葉を投げかけた後にゆっくりと包囲を狭めてくる。

 もう逃げることは出来ないし、お姉ちゃんの魔法を使うにも意識を集中させる時間は無い。


 絶体絶命の窮地。

 それでも僕はまふにゃんを信じ続けた。

 彼女なら、きっとこの状況を打開してくれると強く願った。


 だが、集落の人たちの狂刃は容赦なく迫ってくる。

 僕は目を閉じ、お姉ちゃんの手をぎゅっと強く握った。

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