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 ああ、僕はもう終わりなんだ。

 ここでこの猫人間に食べられて死ぬんだ。


 ははっ……、なんだそれ……。

 こんな終わり方あるんかよ……。


 僕は目を閉じて、せめて食べられる瞬間を見ないようにした。


「うおおおおお!!!!」

 あれ、聞きなれた声が聞こえてくる……?

 この声、もしかして……。


 そう思いながら閉じた目を、ゆっくりと開いていくと……。


「みゃ、ミャオ……?」

「大丈夫か?」

 そこには、巨大な十字架を振り回して猫人間たちを蹴散らしたミャオが、仁王立ちしていた。


「む、その様子。どうやらぎりぎりだったようだな」

 僕はふと、ミャオの目線を追った。


 げっ、漏らしてるじゃん!

 しかもミャオに見られた……。

 恥ずかしい、なんてことだ……。


 そして僕は、自分の股の部分を手で押さえて隠した。


「おわっ!」

「この数を相手するのは骨が折れる。引くぞ」

 その瞬間にミャオは僕を担ぐと、猫人間たちの集落から走って逃げた。

 猫人間たちも、ミャオには勝てないと察したのか、特別追う事も攻撃をしてくることもなかった。



 それから少し走り、深紫色の森の中へと入った僕たちは、そこで綺麗な水が湧き出ている泉を見つけ、僕の汚れてしまった服を洗いがてら休息をとる事にした。


「しばらく干せば乾くだろう。それまでは落ち着かないと思うが待て」

「ありがとう」

 僕は下半身を見せないよう、木に隠れながら顔だけミャオの方へ見せてお礼を言った。

 我ながら情けない姿だけど、助かってよかった。

 あのまま猫人間に貪られて死ぬなんて……、今も思い出すだけで寒気がする。

 うぅ、まだ手が震えているや。


「ねえミャオ」

「どうした?」

 とりあえず、僕の命が保障されたのは良いとして……。

 他の仲間はどうしたんだろう?

 みんなも無事だといいけれど……。


「リリィお姉ちゃんやまふにゃんやクス子は見つかった?」

「いや、……余も気づいた時は一人だった」

 そっか、この調子だと全員ばらばらか。

 戦えるまふにゃんやリリィお姉ちゃんなら大丈夫だと思うけど、回復専門のクス子がさっきみたいな目にあってたら……。


「だが問題ない、余達は強い絆で結ばれている。必ず巡り会える時が来る」

「うん、……そうだね」

 そうだ、ミャオの言う通りだよ。

 僕は何を弱気になっているんだ。

 今までだってどんな苦境や強い敵に出会ってきても、乗り切ったじゃないか。

 だから今回だって大丈夫だ、またみんなと会える!


「服が乾いたら行くぞ」

「うん!」

 僕はミャオの言葉に対して、大きく頷いた。

 だけどこの時、木陰から出ていた事に気づいた僕は慌てて隠れてその場で体操座りをすると、服が乾くまでの間、休息をとった。

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