第59話 幽霊は僕の恋のキューピットさまでした(1)
「はい」
ランさんは僕へと『うん』と頷く訳ではなく。『はい』と返事をくれたから。僕は少しばかり驚いた顔をしながら。
「そうですか、ありがとう」
ランさんへとお礼を告げた。
「よかったな、小山田」、「やったじゃないか、小山田」
僕がランさんへとお礼を告げれば、彼女よりもミチの方が先に祝福の言葉をくれたから。
「うるさい! 頼むから静かにしてくれよ……」
僕はミチの名前をださずに、親友のお化けへと頼むから僕のことを冷やかすな、揶揄するな! と諫めるのだった。
◇◇◇
幽霊は僕の恋のキューピットさまでした(1)
「……まだお化けがいるのか、小山田?」
ランさんが僕の肩に甘えるのを辞めて──。本当にランさん近い! 近いよ! 僕は君にこれ以上顔へと唇を近づかれてしまうと思春期の少年だから、ポッ! と身体が火照ってしまうから辞めて~~~! と不満を言いたくなる位置まで、彼女は近づいて尋ねてきた。
「うん」
僕がランさんの問いかけに対して頷くと。
「そうか、小山田……ランにも幽霊の声が聞こえたから、余り他人に知られない方が良いと思うから。小山田の近くて尋ねたが。小山田の顔は赤いけれど。異国人のランの顔が近づくと小山田は恥ずかしい? 嫌か?」
ランさんはさ・ら・に~、僕の頬や耳許へと艶やかな唇を近づけてきて囁くように尋ねてくるから。
僕は朝から本当に困ったもんだと思い。
今晩はおかずが絶対にいるぞ! 思春期の少年らしく、自分の顔を真っ赤……。身体の方はメラメラと火照らしながら。
「うぅん、そんなことはないです」
僕は自分の首を振り。
「僕はランさんがこんなにも側にいるから嬉しいけれど。ランさんの方は嫌じゃないかな? 根暗で陰気な僕に対してこんなにも顔を近づけてきて?」
と、彼女へと尋ね返した。
「うぅん、そんな事はない。ランは嬉しいくらいだ」
ランさんは僕が『やった~!』と声を大にして叫びたくなることを言ってくれた。
しかし僕には今の彼女の囁きが、空耳ではないか? と不安になるから。
「小山田、今、お前のことが好きだと遠回しにまた言ってくれたじゃないか。だからもう尋ねなくても良い。それよりも二人の今後の事を話せ、良いな?」
ミチのお化けが相変わらず不満を告げてきても、僕はしつこい男! 話題がない、居ても楽しくない男だと思われようが。
今僕の身に起きていることは夢幻ではないか? と思うことだから。
「ランさん、あのね?」




