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悪魔の王子は戦隊レッドを守りたい  作者: ムネミツ
第六章:十勇士覚醒編
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第40話 マカイゴールド、デビュー!

 「配信もやってるのね、あの子?」

 「まあ、芸能活動してるならやっていてもおかしくないな」


 宇宙人アイドル、グー子さんのライブを見た翌日。


 ホームルーム前の教室で、スマホでグー子さんのチャンネルを見た俺達。


 「俺達マカイジャーの公式チャンネルの方がまだ勝ってるな」

 「進太郎、変な所で勝負しないの!」

 「そうだね、でも配信してるならコラボ企画とかやれるかな?」

 「あんたさ、私以外の女の事を気にしないでよ?」

 「ごめん、そういうのはないよ?」


 俺の愛は勇子ちゃんに全振りなんだけど?


 などと思えば、彼女の照れる気持ちが伝わってくる。


 勇子ちゃんは可愛い、勇子ちゃんは美しい、勇子ちゃんは尊い。


 「進太郎、わかった! ハウス! ハウス!」


 いや、俺は犬じゃないって。


 「あの二人、また夫婦漫才してる」

 「あそこだけ、春なんだけど?」

 「プライベートでももう、夫婦だよな」

 「BL本描かなきゃ!」


 外野から、あれこれ言われてれるのが耳に入る。


 だからBL本は止めろ。


 「はい、今日から新しい仲間を紹介します。 それでは自己紹介を?」

 

 青山先生が新しい女子生徒を連れて来た。


 俺と勇子ちゃんは先日、アイドルしてた人が来たので驚いた。。


 「初めまして、帰化名は土器野光子どきの・みつこ、宇宙名はグー子・ドグ―リアンと申します! 皆さん、宜しくお願いいたします!」


 グー子さん、いや日本人名は土器野さんが名乗る。


 クラスの面子は普通に彼女を受け入れていた。


 個性の集まりであるヒーロー高専では、宇宙人くらいでは普通だった。


 「あの、ライブに来てた方達ですよね?」


 休み時間にグー子さんが俺達に話しかけてきた。


 「え、認識されてたんだ俺達?」

 「進太郎、私達顔は晒してたじゃない?」

 「お二人共目立ってましたから、レイヤーさんかなと?」

 「違います、本職のヒーローです」

 「私達は、魔界勇者隊マカイジャーよ♪」


 軽く自己紹介する。


 話を聞くと、悪の宇宙人に星を奪われて落ち伸びて来たらしい。


 「そうなんだ、あなたは王家の血とか引いているの?」

 「勇子ちゃん、切り込みすぎだって」

 「良いじゃない、宝玉の十勇士の末裔かも知れないんだし」

 「まあ、そうだけどさ」

 「王家じゃないですけれど、宇宙戦士の一族ですが十勇士ですか?」

 「こいつは進太郎、魔界にあるゴートランドって国の王子なんだけど」

 「いや、雑だな?」


 グー子さんに説明する。


 「面白いお話ですね、興味があります♪」

 「進太郎、掴みはオッケーよ♪」

 「じゃあ、詳しい話は今度家の大使館に来てもらってからでどうかな?」


 まず、こちらに興味を持ってもらう所から始めよう。


 彼女がゴートランドの宝玉の十勇士の関係者かはわからない。


 そこはさておき、交友関係は広げられたら良い。


 俺としてはもう少し、友好関係を気付いてから仲間に誘おうかなと思っていた。


 いや、マカイジャーにスカウトするって事はちゃんと雇用する事だから。


 俺は王子で高専生、我が国の国庫が気にかかる!


 どっかのアニメの歌じゃないが金が絡むんだ。


 「まずは、体験入隊して見ない♪」

 「え、体験入隊ですか? お二人共プロとして活動されてるんですよね♪」

 「いや、勇子ちゃんマジで?」

 「進太郎、悩むんなら実際に相手を見てからにしましょう♪」

 「いや、体験とはいえ日当出さないといけないんだけど?」


 勇子ちゃんに口を挟む。


 「え、日当が出るならなおさらやりたいです♪」

 「食事も出すわよ♪」

 「是非とも参加させていただきます♪」


 グー子さん、目が金になってる。


 俺も人の事は言えないが、金か!


 かくして、グー子さんを魔界へと連れて行く事になった。


 「空が黄色いですね~♪ うわ~♪ 金の南瓜ですか~?」


 グー子さんが探検隊みたいな恰好で、スマホで動画撮りながら感心する。


 「撮影とかさせて良いの?」


 マカイレッドに変身した勇子ちゃんが、デーモンナイトに変身した俺に尋ねる。


 「ああ、コラボ動画もおまけにって約束したからなこっちも撮影してるし」


 勇子ちゃんに俺達も撮影している事を告げる。


 「皆さん、グー子です♪ 今回は何と、ヒーローさんとのコラボ企画でまあ買いに来ています♪ マカイジャーさん達は、魔界にあるゴートランドの特殊部隊。 皆さん軍人で公務員、国家案件ですよこれ♪」


 ゴールドパンプキン城の前ではしゃぐグー子さん。


 「グー子、今回は何とマカイジャーさんに体験入隊させていただきます♪ マカイジャーさん達のチャンネルはこちらで~す♪」


 グー子さんが何もない所を指さす。


 編集で俺達のチャンネルのアドレスが載る箇所だ。


 「それじゃあ、俺達の基地ゴールドパンプキン城へどうぞ♪」

 「他のメンバーも待ってるから♪」

 「ありがとうございます♪」


 城門を開けてグー子さんを案内する。


 通を経て城主の間に案内した。


 変身した仲間達が並び、土偶達が作業している室内。


 「おお、この土偶達はドグー星の! 驚きです、異次元世界に繋がりが!」


 グー子さんが驚くと、彼女の影からも銀の土偶が出現した。


 「土偶達が何やら踊ってるのは一体?」

 「何か、意思疎通してるのかな?」


 家の城の土偶とグー子さん達の土偶が見つめ合い、手足を動かして踊り合う。


 「これは、データリンクですねそちらのは旧世代型なのでロード時間が」

 「パソコンみたいね」

 「そうだね、土偶ダンスは画になるが」

 「私の遮光器は、土偶達とコンタクトが取れるんです♪」


 グー子さんが緑の瞳を遮光器で覆うと、彼女も土偶と同じ踊りを踊り出した。


 彼女が踊りを止めると、土偶達も踊りを止めてそれぞれの所へと戻る。


 「えっと、失礼しました! どうやら私の先祖が、宝玉の勇士だったみたいです」

 「何か、目覚めてるわよナイト!」

 「これは、縁が出来たな♪」

 「皆さん、私グー子はゴートランドで活躍した英雄の子孫だと判明しました!」


 な、なんだって~っ! 


 と言いたくなる事を急にのたまうグー子さん。


 「デーモンナイトさん、マカイジャーの皆さん! 私、正式入隊を希望します!」

 「ヒーローの戦いは芸能活動とは違った意味で、命がけだぞ?」

 「はい、頑張ります!」

 「じゃあ、あんたにこれを渡すわ♪」

 「このブレスレットが、皆さんの変身アイテムですね♪」

 「ゴートランド王国王子、デーモンナイトとしてあなたを任命します」

 「今日からあなたもマカイジャーよ♪」


 レッドがグー子さんの左手首に、マカイチェンジャーをセットする。


 「はい、マカイチェンジ!」


 土偶から伝わったのか、教えてもいないのに構えを取ってブレスレットのスイッチを入れるとグー子さんの全身が光に包まれた。


 光が消えて現れたのは、金色のマスクとヒーロースーツを全身に纏った戦士。


 「金色の勇者マカイゴールド、オンステージです♪」


 虚空から金色のギターを召喚し、両手でキャッチして構えるゴールド。


 俺達はゴールドの背後に整列して拍手する。


 九人目のマカイジャー、ゴールドが加わった。


 それでは一曲と、歌い出そうとしたゴールドをグリーンが止める。


 「そのギターは武器だから、城の中で使わないで欲しいのだ!」

 「わかりました、戦場で爆音かまします♪」

 「うん、楽しみにしているよ」

 「面白い仲間が増えたわね♪」


 個性が強い仲間をどうまとめ上げて行くか、俺の力量が試されるな。


 新たな仲間はアイドル戦士。


 次の戦場では彼女のギターが炸裂する。


 実戦の前に味方同士で演習をしておこう、事故が起こらないように。


 「皆さん、グー子はヒーローとしてもデビューいたします♪」


 ゴールドが視聴者に向けて発言し、動画撮影と体験入隊は終わった。



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