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悪魔の王子は戦隊レッドを守りたい  作者: ムネミツ
第四章:追加戦士加入編
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第24話 山狩りと巨大ガマ

 魔界の海にて、シルバーことギョリン以外が水場でも動ける装備。


 その名も、シーテクターの素材を確保してから日本へ帰還した俺達。


 「素材集めの次はあの忍者達の件ね、無惨衆むざんしゅうだっけ?」


 赤く長い髪に、ロボットのアンテナみたいな太眉毛。


 筋肉質でボーイッシュ巨乳美少女の赤星勇子あかぼし・ゆうこちゃんが呟く。


 彼女こそ俺のヒロイン、我が太陽。


 最愛で最推しの戦隊レッドだ。


 「進太郎、恥ずかしい事考えないでよ!」


 俺の心を読んだ勇子ちゃんが、照れ顔で水平チョップを俺の胸に打つ。


 悪いがそのリアクションは、俺にとってはご褒美だ。


 俺の頭は君の事に関してだけは、ラブコメ脳なんだよ。


 君は最愛で最高の相棒だよと思ったら、また彼女からツッコミが来た。


 「そう、教科書にも記載されてる国内の組織」


 彼女の水平チョップに耐えつつ問いに答えるのは俺、山羊原進太郎やぎはら・しんたろう


 外見は頭に山羊の角が生えた日本人の高校生男子。


 悪魔の血を引く魔界の王子で、ヒーローの端くれと盛られたビルドの主人公だ。


 自分で言うのもなんだが、目付きと角以外はギャルゲー主人公な顔だよ。


 俺と彼女は大使館の居間で、仲間達とテーブルを囲みながら話し合う。


 「女王陛下も学生時代に敵対したとか?」

 「マジかよ。陛下が滅ぼせなかったのか?」


 黒の執事姿のイケメン吸血鬼、ザーマスが語る。


 その言葉に驚いたのは茶髪に褐色肌の狼男、ガンス。


 「当時は陛下もまだ修行の身だったのだ」


 フンガーが、タブレットで過去の記事を出して見せながら呟く。


 母親の若い時の魔法少女の姿って、見せられるの微妙だよな。


 「鯛丁たいちょうは、昔から悪の組織と因縁が深いようです」


 灰色のスーツを着た銀髪のイケメン半魚人のギョリン。


 彼が鯛丁のたい焼きで、怪人が巨大化した出来事の資料をテーブルに出した。


 「成分自体は、本当に普通のたい焼き出ったのだ」


 紫色のおかっぱ頭の白衣のフランケン少女、フンガーが補足する。


 勇子ちゃん以外は、どう見てもモンスターな俺達の集まり。


 その名は、魔界勇者隊マカイジャー!


 と、一人ナレーションみたいな事を考える。


 「進太郎、脳内でナレーションみたいに考えるのってどうかと思うんだけど?」

 「ごめん、一応脳内で全体を俯瞰しながら考えていたんだ」


 俺の一人語りの思考に、勇子ちゃんからはツッコミが来る。


 俺と勇子ちゃん、思考とか色々リンクしてるので彼女には俺の考えが読まれてる。


 「殿下達の思春期はさておき、纏めると悪の忍者集団が町を狙っているですね」


 ザーマスが思春期でまとめた。


 流石は我が執事だ。


 「では、商店街のパトロールでは鯛丁を要注意で警戒しましょう」


 ギョリンは、俺と湯子ちゃんのやり取りを無視して纏めてくれる。


 「そう言うわけで、プリンスと勇子ちゃんは見回り宜しくなのだ♪」

 「まあ、お二人は思春期のデートをしつつ調査して来て下せえ♪」


 フンガーとガンスがありがたい提案をしてくれる。


 「進太郎、素直にデートしようって言いなさいよ?」

 「いや、勇子ちゃん? 背後からの裸絞めは、本当にごめん!」

 「何よ、私からのリアクションはご褒美なんでしょ?」

 「いや、そうなんだけどね?」

 「私だって、あんたの事が好きなんだからね!」


 勇子ちゃんの照れ隠しの裸締めで締め落とされた俺。


 そのまま彼女に引きずられ、居間での会議の場から退室した。


 愛する女の子には、悪魔の力でも勝てなかったよ。


 「あんたねえ、どんだけ私の事好きなのよ?」

 「それはもう、単位では図り切れないほどに」

 「昔は私の事、女だって認識してなかったのに?」

 「昔は友として愛し、今は彼女として愛してるよ」

 「あんたから、変態レベルの愛情を感じるんだけど?」

 「我が一族は、愛が重い家系なんだ♪」

 「じゃあ、私の愛情も受け止めなさいよ?」

 「どんと来い、俺は君を離さない♪」

 「……ついこの間まで、子山羊メンタルだったくせに」


 調査も兼ねたデートで家を出た俺達。


 勇子ちゃんとじゃれ合いながら、お互いジャージやパーカーとラフな服装で歩く。


 夏だけど春のような気分だが、外に出た以上は浮かれてもいられない。


 俺はデーモンチェックでの探知、勇子ちゃんは熱源の視認での探知を行う。


 「進太郎、そっちは反応はあった?」

 「いや、ヒットなし」

 「こっちも、怪しい所は見受けれなかったわ」

 「おっけ、それじゃあ普通の目と耳と足で探そう」

 「捜査は足って奴ね♪」


 俺達は商店街の馴染みの店を回り、買い物をしつつ聞き込みを行った。


 「忍者の恰好をした悪者かい? 山の方へ逃げて行ったかなあ?」

 「そうそう、シュシュっと屋根を飛び越えてねえ」

 「マカイジャーの皆で、山狩りとかしてもらえないかな?」


 とは、最初に聞き込みをした八百屋の御夫婦の弁。


 他の店も口を揃えて、無惨衆の忍者達は西の山へと逃げて行ったと証言した。


 「仲間達と敵を探しに奥多摩まで行こう」

 「ええ、山の方なら巨大ロボで戦っても被害は少なくできるのはラッキーね♪」

 「いや、自然環境も一応大事だからね? 杉の木の林とか嫌いだけど」


 俺達は基地である大使館に戻ると、仲間達に聞き込みの結果について語る。


 「山は、身を隠せる場所が多いからな。 急ぎやしょう」

 「ゴーストヘッド号で飛んで行くのが宜しいと思います」

 「異議なしです」

 「緊急出動なのだ!」

 「それじゃあ、進太郎は召喚をお願い」

 「よし、王権魔法発動っ!」


 変身してから仲間達と外へ出て、空に巨大なシュモクザメ型の戦艦を召喚する。


 戦艦からの牽引ビームに引き上げられて乗艦した俺達。


 戦艦の中で働く水兵服姿の骸骨の兵士達に命じて、空飛ぶ鮫型戦艦を飛ばす。


 戦艦を姿を消した幽霊船モードで空中に待機させて、現場に降り立つ俺達。


 魔力や熱だけでなく、音や臭いに空気の振動で敵の気配を探る。


 「イエロー、三時の方向へ射撃をお願いします!」

 「任せとけ♪」


 シルバーが空気の揺れに違和感を感じ取り、イエローに射撃を依頼する。


 イエローが個人武器の二連装のショットガンを撃つ。


 「ばれたか、良くぞ見破った!」


 射撃した方角から、黒装束の忍者の男が出現した。


 同じタイミングで、俺達は忍者の集団に取り囲まれる。


 「出ましたね、我々が相手です!」

 「一気に片付けるのだ!」


 ブルーがサーベルを、グリーンが鎖鉄球を召喚する。


 レッドは両手剣、シルバーは三叉槍と武器を構える。


 俺はサブ武器の二丁の草刈り鎌を装備して、襲って来た忍者達を迎え撃った。


 「馬鹿め、初めから手下は使い捨てよ! 忍法巨大ガマ変化!」


 俺達に手下をけしかけていた忍者が、二十m程のガマガエルへと変身した。


 「おのれ、ロボが使えない時に!」

 「敵にこっちの都合は関係ないのだ!」

 「大丈夫だ、この程度なら俺達でも勝てる!」

 「まずは散開しましょう!」

 「ヤバイ、口から何か吐き出すつもりですぜ?」


 緑色の巨大ガマガエルの張り手を、後方へのジャンプで避けた俺達。


 拳銃型の共通装備、マカイガンでのビームによる射撃をしながら隙を伺う。


 「敵は体表面が焦げて痛がっているが、致命傷迄はいかないな?」

 「こうなったら、体内から破壊するわよナイト!」

 「わかった、一緒に決めようレッド!」


 俺とレッドは、敵の口が開いたら体内に入り込んで倒す事にした。


 「よっしゃ、撃ちまくるぜ!」


 イエローがマカイガンを撃って、敵の口を開けさせる。


 「レッド達、私の肩を踏み台にして飛んで!」


 グリーンが俺達に肩を差し出す。


 俺達はグリーンの肩を足場にしてジャンプ、敵の口の中へとダイブした。


 「行くわよナイト!」

 「任せろよ相棒♪ 魔王印ブーストだ!」


 敵の胃袋の中で俺がレッドの背中に手を当て魔力を注ぎ込む。


 「エネルギーが溢れて来た、必殺・レッドバースト!」


 全身から炎を出したレッドが、叫びと同時に拳を突き出す。


 彼女の突き出した拳から物凄い勢いで炎の柱が噴き出し、敵の腹を突き破った。


 「ゲコ~~~ッ!」


 断末魔の悲鳴を上げて絶命した巨大ガマガエル。


 俺とレッドはガマガエルの体に空いた穴から抜け出した。


 「ふう、一件落着だぜ♪」

 「そうね、私のお陰ね♪」

 「ああ、ありがとう♪」


 巨大ガマの死体のそばで語り合い、俺達は仲間達と合流した。


 「お二人共、あまり無茶をなさらないで下さいね?」


 シルバーが俺達の身を案じて釘を刺す。


 「同感です、一寸法師戦法はリスキーですから」


 ブルーも溜息を吐きながら呟く。


 「まあ、お二人が無事で良かった♪」


 イエローは俺達の無事を喜んでくれた。


 「それはそうと、後始末が面倒なのだ」


 グリーンは、巨大ガマの姿から戻らない忍者を見てげんなりした。


 「確かに、放置はできないよな」


 俺も溜息を吐きつつ、管轄の警察などに連絡して来てもらい後始末を行った。


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