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悪魔の王子は戦隊レッドを守りたい  作者: ムネミツ
第四章:追加戦士加入編
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第23話 強化素材は魔界の海で

 「殿下、私もご一緒しても宜しいのですか?」

 「ギョリンには、祖父ちゃん達とも関係構築をして欲しいんだよ。 万が一の際に護衛を頼む時に備えて」

 「確かに、護衛の際の信頼関係は需要ですからね」


 ギョリンを山羊原家の母屋へと誘う。


 「あ、進太郎がギョリンを連れて来た♪」


 俺の事前連絡により家に来ていた勇子ちゃんが、俺達を出迎える。


 「勇子様も、どうもありがとうございます」

 「うん、ガンスがご飯作ってるから上がって♪」

 「では、失礼いたします」


 ギョリンも母屋へと上がり居間へと招く。


 「あら、いらっしゃい♪」

 「おお、良く来たのう♪」


 祖父ちゃん達もギョリンを迎える。


 「待ってたのだ~♪」

 「ギョリン卿の加入を祝しても宴ですよ♪」


 フンガーとザーマスも食卓に料理や飲み物の配膳をしていた。


 「おう、ギョリンもこれから宜しくな♪」

 「ガンス少尉、この臭いは寿司ですか?」

 「応よ♪ 近所の寿司屋の大将直伝の散らし寿司だぜ♪」

 「皆様、歓迎いただき誠にありがとうございます」


 ギョリンが俺達に礼を言う。


 彼を歓迎の散らし寿司パーティーは盛り上がった。


 半魚人も魚は普通に食うらしく、寿司は馴染みのある食い物だったらしい。


 ギョリンとも同じ釜の飯を喰らい絆を結んだ俺達。


 六人体制でのマカイジャーが誕生した。


 「問題は、私用のロボですね」


 翌日、大使館の居間で休憩中にギョリンから機体の事の話をされた。


 「確かに、機体は必要だよね合体機能の改造も」

 「ええ、それと水中と水上の水場での戦闘も今後は視野に入れましょう」

 「ああ、思い返せばリザードマンの海賊には苦労したからな」


 あの時は勝てたは良いが、船の上とか水の中では勝手が違った事を思い返した。


 「タスクを処理しつつ、訓練メニューの甲案が必要ですね」

 「ああ、フンガーにも新装備を突く手欲しい所だね」

 「素材集めも兼ねて、魔界へ赴かれる事を提案いたします」

 「わかった、夏だし海へ行こう♪」


 俺はギョリンの提案を受けて、勇子ちゃんに連絡を入れた。


 翌日、俺達マカイジャーは夏の魔界の海の上にいた。


 「魔界の海、来たぞ~~っ♪」

 「逞しいなあ、勇子ちゃんは♪」

 「海のモンスターを倒して素材を狩るんでしょ♪」

 「そうだけど、水着は着ないの?」

 「水着デートなら後で思い切りしましょう、メリハリは付けるわ♪」

 「おう、んじゃあ頑張るか♪」


 海賊の船を改良した漁船の甲板で、銛を持ち仁王立ちする勇子ちゃん。


 俺もデーモンナイトに変身して釣り竿を持ち、魚群の到来に備える。


 魔界の魚は強力な素材になるので、俺達は新装備の為に漁に出た。


 「私もガンガン釣るのだ~♪」


 グリーンも気合を入れる。


 「素材だけでなく普通の魔界魚も釣りましょう♪」


 ブルーは釣った魚を食う気満々だ。


 「魚を捌くのは、あっしにお任せ下せえ♪」


 頼もしい料理人のイエローも気合を入れる。


 「船の操舵はお任せあれ♪」


 シルバーも打ち解けて来たのか口調が穏やかになる。


 俺達の心がまとまったと同時に、無数の影が海面に浮かぶ。


 「総員、釣りの開始だ~♪」

 「よっし、デカいの釣って魚拓取るわよ♪」

 「素材をがっぽりゲットなのだ~♪」

 「刺身、焼き魚、煮魚、丼、鍋、食べ放題ですよ~♪」

 「釣り上げた分は全部捌いてやらあ♪」


 シルバー以外の全員がロッドを振り、海へと釣り糸を垂らす。


 魚群が来てる所に垂らせばかかるのは当然。


 「おりゃ~~っ! 美味しそうなマグロ♪」

 「よっし、こっちも釣れたぜ♪」

 「どんどん釣りますよ~♪」

 「うっひょ~♪ 魔界ガツオもいるぜ♪」

 「色んな魚が釣れるのだ~♪」


 大漁とばかりに船に積み上げれる魔界の魚達。


 「魔界マグロ十匹に魔界ガツオ十五匹、獲れましたねえ♪」


 ブルーが甲板上に積まれた魚達を見て呟く。


 俺達は釣果の見分の為に、釣り上げた魚の周りに集まった。


 「ひとまず、食料の方は取れたのかな?」


 マグロやカツオは装備の素材と言うよりは、食料だろう。


 「マグロやカツオでも作れるのだ、マグロアーマーとかができるのだ」


 グリーンが美味しそうな防具名を列挙する。


 「もっと強い生き物にしない? シーサーペントとか」

 「確かに強いのだ、けどエンカウントできるかわからないのだ」


 レッドの問いかけにグリーンが答える。


 「確かに、レッドの言うシーサーペントなら防御力も高そうだしな」


 正直、マグロやカツオだと食い物と言う印象しかない。


 龍とかドラゴンタイプの方が、見た目も格好良くなりそうだし。


 「取り敢えず、マグロとカツオは一匹ずつ捌いちまいやしょうか?」

 「では残りは私が冷凍いたしましょう」


 イエローが調理を提案し、シルバーが冷凍保存を行うと宣言。


 海の上で獲れたての魚を食えると思っていた所、天気が変わった。


 「むむっ! 前方に雷雲ですか?」


 ブルーが二キロ先位の空の上にできた雷雲を警戒する。


 「あれは、シーサーペントの出る前兆なのだ!」


 グリーンが叫ぶ。


 「ブルー達は、急いで船内に魚を運んで! ナイト、行きましょう♪」


 レッドが得物を銛から両手のマカイカリバーへと変える。


 「ああ、それじゃあ行こうか♪」


 俺も武器である漆黒の平鍬、デーモンホーを虚空から取り出す。


 海面から一匹の巨大な緑色の角と手足のない、ドラゴンもどきが頭を出した。


 「殿下、レッド、お気をつけて!」

 「あっしらは、船を守らせていただきやす!」

 「シーサーペントは頭だけあれば十分なのだ~♪」

 「ご武運を!」


 仲間達の声援を受け、船から飛び立つ俺とレッド。


 シーサーペントは、まずは威嚇のつもりか口を開けて電撃ブレスを吐き出した。


 「喰らうもんですか!」

 「お返しだ、デーモンサンダー!」


 相手の初撃を躱した俺達、お返しだと俺は兜の角から雷を発射する。


 『ギャオオ~ン!』


 俺の攻撃を受けたシーサーペントの体が痺れだす。


 「こっちも行くわ、てやあっ!」


 レッドが両手剣を脇に構えて、空から敵へと突進する。


 だが、シーサーペントは体を痺れさせつつも尻尾を出してレッドを襲った。


 「しまったっ!」

 「あぶねえっ!」


 尻尾の打撃を受けたレッドを俺がキャッチする。


 「大丈夫か、レッド!」

 「ありがとう、なんとかね!」

 「うっし、じゃあリベンジだ♪」

 「ええ、じゃああいつを海から引きはがして!」

 「任せろ、デーモンツイスター!」


 気を取り直して飛行状態に戻ったレッドから離れ、俺は敵に必殺技を叩き込む。


 鍬をぶん回して竜巻を起こし、シーサーペントを空の上へと叩き上げた。


 「ありがとう、止めは私が! バーニング、スラ~~ッシュ!」


 レッドが、燃え盛る両手剣を空に浮かんだシーサーペントへち振る。


 レッドの剣から放たれた炎の斬撃が、空の上で悶える敵の首と胴を切り分けた。


 そう言う倒し方をすれば、空の上から敵の死体が落ちて来て波が起こる。


 シルバーが操舵する船は、それを見越して距離を取って離れて行った。


 「ナイト、頭だけで良いのよね!」

 「そう言う注文だったよ!」


 俺とレッドは、シーサーペントの頭だけを二人で受け止め急上昇で飛び上がる。


 残ったシーサーペントの他の部位は、海へと落下し大きな波を立てた。


 「ふう、取り敢えず素材はゲットね♪」

 「ああ、早く沖へ帰ろうか♪」

 「ええ、乗ってきた船じあ運べそうもないしね」


 俺とレッドは、軽自動車サイズのシーサーペントの頭を抱えて沖へと戻った。


 先に戻っていた仲間達に出迎えられる。


 目的を達成した俺達は、海岸でパーティーを行い魔界の海の幸を堪能した。


 シーサーペントの頭は、日本へ帰還後にフンガーの手によって俺達の新装備。


 変身後にスーツの上から纏う外部装甲、シーテクターへと生まれ変わった。

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