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悪魔の王子は戦隊レッドを守りたい  作者: ムネミツ
第三章:巨大ロボット登場編
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第16話 先取りしたコアと開発

 ざっくりとした調査の結果、ここは古代のゴートランド王国の城。


 ゴールドパンプキン城と言う、戦闘の為の城塞らしい。


 俺と勇子ちゃんが新たな城主ペアとして認められた。


 「とんでもない物を貰っちゃったわね私達」

 「けど、これは良い物だよ俺達用の軍事基地問題は解決だ♪」

 「古代の物と言っても、十分すぎるほど使えますぜ♪」

 「人を呼んで調べなきゃいけない事が増えたのだ~!」

 「まあまあ、紅茶でも飲んで下さい♪」


 作戦室でザーマスが用意した紅茶を飲みながら、円卓に座り語る俺達。


 「で、アーカイブから何か分かった?」

 「色々と。俺と勇子ちゃんが揃っていないと使えない機能とかあるみたい」


 城主のマニュアルみたいな物は、俺と勇子ちゃんの頭の中に刻まれた。


 気になる事を思い浮かべれば、回答が記憶から引き出される。


 土偶型ゴーレム達に、王城や地球の家とこの城を行き来できるようにさせた。


 ロボの格納庫があると知り、皆で行って見た。


 土偶ゴーレム達に案内され、道を進み辿り辿り着いたの空間。


 ドーム状の広大な広間、中心部に鎮座するのは巨大な山羊の石像。


 山羊のロボットが石化したような二体の像、キングゴートとクイーンゴートだ。


 「これが伝説の魔獣?」

 「私達を呼んでたのは、この子達ね」

 「伝説は実在したのですね」

 「いや、おったまげたぜ」

 「石化の魔法で保存してるのかな、プリンス達は触れて見て欲しいのだ」


 フンガーに促され、俺と勇子ちゃんがそれぞれキングとクイーンの石像に触れた。


 てっきりこれで封印が解かれるのかと思いきや、石像が霧散化し宙に浮いた二つの水晶玉が俺と勇子ちゃんのマカイチェンジャーに吸い込まれた。


 「ええっ! マカイチェンジャーにそんな機能つけてないのだ!」


 フンガーが驚き叫ぶ。


 「進太郎、聞こえた?」

 「ああ、新しい体に生まれ変わるから待っていて欲しいって言ってた」

 「何だか、不思議な感じね♪」


 俺達はどうやら、キングゴートとクイーンゴートのコアを手人れたようだ。


 「こいつは一体、どういう理屈何ですかい?」

 「正直、付いて行けません」

 「理解不能なのは嫌いなのだ~っ!」


 仲間達は理解が追いついていないようだった。


 「これはいわゆる、ロボの最終形態の為の機体を先取りしたって事かな?」

 「時間が掛かるって言うから、そう言う流れになりそうね」

 「それじゃあ結局、ロボはお預けなのだ~~っ!」


 フンガーの叫びが、がらんとした格納庫に響いた。


 第二基地ゲットから数日後。


 ゴールドパンプキン城の管理は、土偶ゴーレム達に任せて俺と勇子ちゃんは地球での学業に勤しんでいた。


 ヒーローも学業も両立させると決めているので、学校も疎かにはしない。


 梅雨の時期なのに雨がない六月某日。


 俺達のクラスはヘルメットを被り団体行動で、満月寺重工の工場見学をしていた。


 横浜と言うと中華街やら繁華街のイメージだが、工場団地とかあるんだな。


 「皆様、こちらが一般見学可能なミニロボ組み立て工場でございます♪」


 金属音や火花の散る音、スタッフ同士のやり取りと仕事の現場を見学。

 

 事務員服にヘルメットと言う格好をした、案内係の女性の腕が差す方向を見る。


 スタッフの人達が、二メートル程の人型ロボットを骨組みから組み立てていた。


 「こちらのミニロボは、ロボボクシングの競技用の機体でございます♪」


 案内係の解説に心を燃やす男子達、女子はほとんどが冷静だった。


 巨大ロボットの組み立て工場は機密事項が多いため、見学はできなかった。


 帰宅後、大使館で満月寺重工のパンフレットを見る俺達。


 「芸術的ですが、細身のロボが多い会社ですねえ?」

 「何と言うか、高級な食器を見てる気分でさあ」

 「こっちの注文に応えてくれるか、心配なのだ」

 「じゃあ、今度の土曜に行く伊賀ロボテックさんに期待だな」

 「ニンジャネットコムのおすすめよね♪」


 勇子ちゃんはウキウキだった、そういや忍者とかチャンバラが好きだったな。


 道場でも稽古で。鉤十手とか器用に使うし。


 週末、俺達マカイジャーは伊賀の某所にある工場を訪れていた。


 「初めまして、工場長の百地と申します♪」


 作業着姿の中年男性が出迎えてくれた、だがこの人の目とか笑ってねえ。


 「宜しくお願いします」

 「我が社は忍法を使うロボットを作る都合、魔法にも強いですよ♪」

 「忍獣ロボシリーズとかですね♪」

 「ありがとうございいます、我が社で製作いたしました」


 勇子ちゃんの言葉に百地さんが微笑む。


 しかし、流石和風ロボを数多く取り扱い続けて来た会社。


 配布されたパンフレットも、歌舞伎みたいな和風ロボで一杯だった。


 「プリンス、こちらにお話を持って行くのが良いと思うのだ」


 フンガーがここで頼もうと提案する。


 「そうですね、折角のご縁ですし」

 「ああ、こちらさんにお願いしやしょう♪」

 「和風ロボ、乗ってみたい♪」

 「何か皆、乗り気だな? じゃあ、決めるか」


 広く大きなハンガーの中、合体状態で整備されている巨大ロボ。


 数十人の刀鍛冶が一列に並び、巨大な刀に金槌を振るう職人技。


 神官装束の人が払い串を振るい、パーツに術をエンチャントする。


 興味深い技術の数々をを見せて貰った俺達。


 マカイジャーの一号ロボは、伊賀ロボテックさんにお願いしようと決めた。


 ゴートランド軍との共同開発と言う流れで、動きだした計画。


 代金は国の宝物庫から金の延べ棒で支払い、技術交流も兼ねてフンガーや家の国の魔界科学省のスタッフを伊賀の工場に派遣。


 逆に、伊賀ロボテックの人達を魔界のゴールドパンプキン城にも招いた。


 彼らの手により城の調査も進み、地球の技術とも互換性が取れるように格納庫などの城の一部が日本風に改修された。


  俺が城の作戦室で寛いでいると、百地さんが資料の束を持ってやって来た。


 「殿下、この城はロボやマシンに変形できます♪」

 「……マジですか? メンテナンスをお願いするとなれば、お幾らに?」

 「我々と専属契約を結んでいただけましたなら、初回の作業は半額の料金で取り掛からせていただきます♪」

 「見積もりと契約書を戴ければ、上に持ち帰らせていただきます」


 城の調査の過程で出て来た面倒臭い事が、伝えられる。


 城のロボへの変形機能のメンテ料金交渉と予算の捻出は、上に投げた。


 色々と動く中で、俺達もただ相手に任せ切りにしていたわけではない。


 忍法を学べと、土日は伊賀に呼び出されて忍者研修を受けさせられた。


 他にも、ロボの材料になるモンスターを魔界の各地へ赴き狩って来た。


 「これは結構便利ね、モンスターをゲットよ♪」


 荒野を舞台に俺達マカイジャーとフェニックスの対決。


 レッドが倒したフェニックスを、マカイチェンジャーに吸い込み捕獲して喜んだ。


 狩りを終えて、ゴールドパンプキン城へ戻って来た俺達。


 作戦室の椅子に座り、円卓を囲んで語り合う。

 

 「しかし、誰だよ魔界の技術を地球に伝えた奴?」

 「我々のように、人間を愛した者達が伝えたのでしょう」

 「日本の技術が、色々と尖ってると言う気もしやすね?」

 「伊賀の忍者、おそるべしなのだ」


 まあ、忍者だからと言う事はないだろうが彼らの持つ技術は凄かった。


 俺と勇子ちゃんは、試験期間に入ったので仕事からは抜けていた。


 「進太郎、絶対に赤点取らないで乗り切るわよ!」

 「ああ、補習とか受けてる場合じゃないからな♪」


 夏は巨大ロボデビューするのだと意気込み、俺と勇子ちゃんは試験勉強に励んだ。


 二人で頑張った結果、赤点は無しで試験を突破できて七月に入った。


 伊賀の工場に呼ばれた俺達は、自分達のチームの一号ロボとの対面を果たした。


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