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「待て待て、次の茂みってどれよ!? 見渡す限り、全部茂みなんですけどッ!」
「……やはり、私が先に行って誘導した方がよろしいようですね」
「いやさッ! 分かってんなら最初からそうしてくれないかなッ?」
フジサキは「かしこまりました」と言うと、アタシを追い抜いて、数歩先を走り始めた。
そうだよ、ナビが後ろ走っててどうすんだよ。前行け、前に……。
そんなアタシ達の背後からは――化け物兎がその巨体に似合わない速度で追ってくる。
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