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1-≪ 88 ≫

≪ 88 ≫


「待て待て、次の茂みってどれよ!? 見渡す限り、全部茂みなんですけどッ!」

「……やはり、私が先に行って誘導した方がよろしいようですね」

「いやさッ! 分かってんなら最初からそうしてくれないかなッ?」


 フジサキは「かしこまりました」と言うと、アタシを追い抜いて、数歩先を走り始めた。

 そうだよ、ナビが後ろ走っててどうすんだよ。前行け、前に……。

 そんなアタシ達の背後からは――化け物兎がその巨体に似合わない速度で追ってくる。





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