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「あの。お、お名前をお聞きしても?」
「……はぁ」
おい。なんだよ、そのため息は。
あと、その「やれやれ、そんなことも分からないのですか」みたいな侮蔑を隠す気のない表情さぁ。
今すぐ、やめろ。居たたまれなくなるから、秒でやめろ。
「……申し遅れました。私、iPh●ne 4sと申します。所有者はマスターである宮間千尋様。契約者名義はマスターのお父様となっております。設定されたプランはホ●イト学生定額プ………」
「ちょっと待った! ストップ! ストォオップ! もう、もう結構です!!」
ああん! せっかく治まったのに、また頭が混乱しちゃうやつー。
この人、今さらっと「iPh●neです」って名乗ったぞ。
まさか、痛い属性の人なのか? こんなにイケメンなのに!?
もし本当だとしても、アタシの知ってるiPh●neと大分違うんだが……。
しかしだ。
目の前にいるのは見た感じ、20代後半から30代くらいで黒髪に碧眼、黒のスーツをビシッと着こなした男だ。その男が、無表情でこっちを見ながら立っている。
え……なに、これ?
CMでスマホが擬人化して持ち主の隣を歩いたりしてるヤツがあったけど……まさかな?
●○●CHOICE TIME!●○●
「とりあえず、何で人間になったのか聞いてみるか」
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「そんな訳ないし。とりあえず、これからどうしたらいいか考えないと」
…… ≪ 52 ≫ へ進んでください。




