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ハル先輩はしょっちゅうシェナにちょっかいを出しては2人で喧嘩をしている。
喧嘩するほど何とやらってヤツなのだろう、青春の1ページだね。
アチチ、熱くて近寄れないわぁ。
とは言っても、シェナはハル先輩の事はアウトオブ眼中みたいだけど……。
「ちょっと、ハル! そばかすは許すとして変態野郎とは何よ!!」
「何って、本当のことだろ? とにかく、チヒロに用があるんだよ」
「え、アタシですか?」
「ハル! チヒロをイジメようったって……」
「バカか、お前は! ちゃんと仕事の話だってーの!」
「う~~」
どうやら本当に仕事みたいだ。
それがわかったのか、シェナはぷうっと頬を膨らませながらもそれ以上何も言わなかった。
「……わかったか。だからシェナ、中庭の水遣りはお前一人でやれよ」
「んもう! ハル、後で覚えてらっしゃい!!」
シェナはぷりぷり怒りながら洗濯籠を持って去っていった。
あーあーあー、後でまた二人のじゃれ合いを見ることになるのか……。
そんなことを思いながらシェナの背中を見送ると、アタシはハル先輩に向き直った。
「ハル先輩、アタシに用事って、何ですか?」
「今日のまかない料理、作ってくれねぇか?」
「……えぇっ!?」
ハル先輩たち執事見習いやアタシたちメイド見習いが食べる料理は、当然のことコルデア家の料理人が作ってくれるわけではない。
皆で持ち回りなんだけど、仕事に慣れるまでは……と、今日の今日までアタシのところには回ってこなかったのだ。
これは困ったぞ……。
何しろアタシは、元の世界で料理なんてものはしたことがないのだ。
●○●CHOICE TIME!●○●
「アタシだけ特別扱いしてもらう訳にはいかない」
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「料理なんて全くできないし、断ろう」
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