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「フジサキは、アタシの持ち物なんです!」
「何ですって!? それって、つまり……」
アイネが凄まじいオーラを放ちながらアタシにずんずん近づいてくる。
あ、あれっ? 焦って何かを間違えた!?
「あー、えーと! ま、間違い! 間違いでした!」
「間違いを起こしたっていうの!?」
「ち、ちがっ……!!」
ぎゃーっ、何でこうなったー!!
その後、アイネの部屋の中で小さな鬼ごっこになり――最終的には壁際まで追い詰められ、壁ドンされてしまった。
美少女のドアップ。しかもアイネ、鼻息が荒い。
「ひぃぃ、これじゃ百合……!!」
「百合が何ですって!?」
「えーと、そうではなくて……とにかく、アタシとフジサキは断じて恋人同士ではないです! あくまで主人と従者の関係です! だから個人的なことも全然知らないんです!」
「その言葉に嘘偽りはないのね!?」
「はい!」
「……そう」
アタシの答えを聞くと、一呼吸付いてからアイネがアタシから離れてくれた。
近くにあったベッドの縁にボスンと座り、どこか遠くを見つめている。
何か知っているだろうと勇気を出して呼び出したアタシが、フジサキの事をあまり知らないのだと分かって、ガッカリしている感じだ。
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