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街の説明が一通り終わると、フランツさんは通りかかった店で見たことのない果物を3つ買った。形は洋ナシで、色合いは桃に似た果物だ。
店番をしていた若い売り子のお姉さんが、もう一つおまけで付けようとしたのをフランツさんがやんわりと断っていた。
再び歩き出した時に、興味本位で振り返って見るとお姉さんが熱に浮かされたような表情で、返された果物を持ったままこっちを見ていた。
あれは、完全にオチた顔だな。
当のフランツさんはその事に気づいているのかいないのか、表情はいたって穏やかだ。道端で立ち止まっていたアタシ達に買ったばかり果物を一つずつ手渡してくれた。
「フランツさん、これは?」
「チヒロ、果物は好き? これはモスっていう果物なんだ。甘酸っぱくて美味しいよ。こんなので申し訳ないけど、チヒロ達は朝食以外、今まで何も食べてなかっただろ?」
●○●CHOICE TIME!●○●
「奢ってもらう訳にはいかないよ」
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「ありがたく頂こう」
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