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さすが、フジサキ! あざといッ!!
……とは言わないが、ナイスだ。
顔を真っ赤にして酸欠の金魚のように口をパクパクしているアイネに、アタシ達3人の視線が集中する。
「お、おぉ兄様ぁッ!!!」
完全にテンパったアイネが、フジサキの手をバッと振り解いてフランツさんを呼ぶ。
突然呼ばれたフランツさんはと言えば、魂でも抜けていたのか、ビクッと肩を揺らした。
「こ、この2人はいつまでここに置くの!?」
あれ? 何か流れが変わったな。
手の甲をゴシゴシとスパッツ風の革ズボンに擦り付けながら、アイネはフランツさんの方を見た。
その眼がめちゃくちゃ挙動不審にキョロキョロしていて面白い。
この子、強気なわりに案外初心なのね。ギャップ萌えとかいうやつかな?
「あの方に会わせて、王国に無害な存在かどうか判断を頂いたら即解放するつもりだよ」
「そ、そうッ! そうなのね、この家にいるのは、それまでなのね! 分かったわッ! わ、私、遠乗りに出掛けて来ますからッ!!」
「あ、アイネ? 遠乗りにはさっき行って来たんじゃ……?」
1人納得すると、アイネは槍を持ってそそくさと客間から出て行こうとする。
その後ろ姿をフランツさんが追おうとする。
こちらに眼もくれず、早歩きでドアを開くと一度だけ振り返って、跪いたままのフジサキと立ち竦むアタシに槍を向けて叫んだ。
「か、勘違いしないで! ティルバのスパイかもしれない貴方達を認めたわけじゃないのよッ! 私はお兄様のように騙されたりなんかしないから! 少しでも怪しい行動を取ってみなさい! すぐに切り捨ててやるんだから……き、肝に銘じておきなさい!!」
真っ赤な顔で言われても……ねぇ? 全く、アイネはツンデレの鏡だね。
フランツさんの制止も空しく、嵐のようだったアイネはこれまた嵐のように客間から立ち去った。
★チヒロの【 E point 】は、【 1pt 増加 】しました。
客間には平穏な静けさが戻った。
槍をつき付けられた時は殺されるんじゃないかとヒヤヒヤしたが、案外チョロい……いや、純情な子で助かった……。
●○●CHOICE TIME!●○●
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