表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第4章 アタシと、コルデア家
746/777

4-≪ 320 ≫

≪ 320 ≫


「チヒロ?」


 頭を抱えたままうんうん唸っていると、背後から名前を呼ばれた。

 振り返らなくても声だけで誰だか分かる。

 何を隠そう、その人物はアタシをこの家に連れてきた張本人だからだ。

 アタシは頭から手を離すと、声の主の方へ振り返ると笑みを浮かべた。


「こんばんは、フランツさん」

「こんな所でどうしたの? まさか、体の具合でも悪いのかい?」

「あはは……全然、元気ですよ。ちょっと、考え事してまして」


 心配そうに顔を覗き込んでくるフランツさんに、乾いた笑いでアタシは首を横に振った。

 貴方の妹のせいで悩んでいるんですって、喉元まで出かかったがゴクンと飲み込んだ。

 この事はアイネとの女同士のお約束で、他言するのは厳禁と釘を刺されている。


「今日、アイネの部屋に呼び出されたらしいね。大丈夫? 何もされなかったかい?」

「え? 何故その事を!?」

「エレノアからチヒロが青い顔をしてアイネの部屋から出てきたって聞いたんだけど。まさか、アイネに何かされたんじゃ?」

「い、いえ! 何もされてませんよッ!」


 神出鬼没、エレノアさん……。見られてたのか。

 フランツさんにはこれ以上迷惑掛けたくないし、何があったか言うまで、ずっと心配そうにしてくるから、アタシの中の罪悪感が増すんだよなあ……。


「何か悩み事でもあるの?」

「えぇ、まぁ。そんな所ですね」

「僕でよければ、相談に乗るよ?」


 グラン・パナゲアの神が悩めるJKの前に救世主メシア様を遣わしてくださった。

 フランツさん、ホント良い人や。

 ここはお言葉に甘えて、相談してみるか……。いや、でもなぁ。


 アタシの中の天使と悪魔がバトルアクションを繰り広げた。結果、最後のエルボーが決め手になって悪魔が勝利しました。

 誰の事だか悟られない程度に相談するのは良いよね、アイネさん? 約束破った内にカウントされないよね?


「大丈夫です……と言いたいところなんですが、今回はお言葉に甘えさせて頂きます」

「じゃぁ、ここで話すのもなんだし……この先のバルコニーででも構わないかな?」


 アタシ達は、広い庭を一望できるコルデア家自慢のバルコニーへと向かった。

 ただなぁ、フランツさんに恋愛相談って何て言うか……。

 いや、乗ってもらえるんだから文句言っちゃいけないな。

 アタシは、先導するフランツさんの後を追った。




 このまま、≪ 46 ≫ へ進んでください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ