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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第4章 アタシと、コルデア家
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4-≪ 318 ≫

≪ 318 ≫


 やはりコルデア家のメイド見習いになった以上、先輩にはちゃんと挨拶しないと。


「あのっ……チヒロと申します。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、これからよろしくお願いします!」


 大声でそう言ってペコッとお辞儀をすると、焦げ茶色の髪の青年は「ああ」というようにアタシの顔を見てにっこりと笑った。


「よろしくね。僕はマルコだよ、チヒロ」

「マルコは私たちのいいお兄ちゃんなんだよ。説教臭いのが玉にキズだけどね!」

「シェナが怒られるようなことをしなければいいんだけどね」

「えー!? あれはハルが悪いんだよー!」


 ……後で聞いたんだけど、マルコさんは執事見習いの一人で、執事の仕事以外だと食材や備品の管理、街の市場調査など、主に頭脳仕事を担当しているらしい。

 歳は23歳で、同い年のフランツさんのことをとても尊敬していて、彼のような立派な人間になりたいと思っているそうだ。

 シェナの言う通り、本当のお兄ちゃんみたいな優しい穏やかな人だよ。アタシは『マルコ先輩』と呼んでいる。

 ……とは言っても、説教臭いのは確か……。

 でも、アタシ達はコルデア家の召使として働いてるんだから、責任を持ってやるのは当たり前だよね。

 そういうところがきちんとしていて、アタシ達に対しても飴と鞭をしっかり使い分けているところとか、大人だなあと思う。

 ……って言ったら、本人はどんな顔をするかわからないけど……。



★チヒロの【 H point 】は、【 1pt 増加 】しました。



「あれ? 兄貴、こんなところで何してんだぁ?」

「ハル! お前を探していたんだよ!」

「俺ぇ?」

「馬小屋の飼い葉が減ってるみたいだぞ。新しい荷も来てるし……まだ運んでないんじゃないか?」

「あっ、いっけねー!」

「ほら、行くぞ」


 マルコ先輩を『兄貴』と呼んだのは、同じ執事服を着た赤髪の青年。

 鼻の上には横一文字の傷跡がある。

 マルコ先輩はアタシとシェナに「じゃあね」と言うと、引っ張るようにして赤髪兄さんを連れて行ってしまった。

 

 シェナが「あれがハルだよ」と教えてくれた。20歳だって。

 『ハロルド』という名前らしいが、仲間内からは『ハル』の愛称で呼ばれているそうだ。アタシは年下なので『ハル先輩』と呼ばせてもらっている。

 歳は20歳で、しょっちゅうシェナにちょっかいを出しては2人で喧嘩している。

 執事見習いの一人で、執事の仕事以外に荷物運びや庭の剪定せんてい、馬の世話などの力仕事を担当しているらしい。





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