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うーんと、腕組をしてどっちの方向に行くべきかしばらく悩んで、結局元来た道を戻る事にした。
今度は闇雲に歩かず、誰かに広場へ行く道を聞こう。うん、そうしよう。
そう思って歩き始めた途端、急に誰かが後ろからドンとぶつかって来た。
その強い衝撃で、アタシはその場に手をついて転んだ。
イテテ、何処見て歩いてるんだよ! 咄嗟に付いた掌にピリッと痛みを感じた。
確認してみれば案の定、手の皮が擦り剥けて血が滲んでいた。
「クソッ、イッテーなぁ……。ボサッと突っ立てんじゃねぇ!」
しゃがみ込むアタシの頭上から、酷く不機嫌そうな罵声が降ってきた。
傷に気を取られていたアタシは、怒気が含まれたその大声にビクッと身を竦ませた。
手に付いた砂利を払って立ち上がると、声のした方に頭を下げて謝罪した。
「す、すみません!ちょっと、ボーっとしてまして……」
「お嬢ちゃん、どーしてくれだぁ? ああ?」
視線を上へ上げると、そこには2人組の男が立ちはだかるように立っていた。
冒険者風の装備を身に纏い、肩を擦る大剣を背負った脳みそまで筋肉モリモリマッチョマンっぽそうな大柄な男と、こちらも同じような装備を着込んで、腰に短剣を2本差したいかにも筋肉男の『腰巾着』って風情を醸し出してる細身の男が、ニヤニヤした顔でアタシを見ながら立っていた。
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