4-≪ 271 ≫
≪ 271 ≫
地元愛に溢れてる人って、地元の地理にやたらと強いよね。
フランツさんもその類の人だったみたい。行き先も告げられないまま歩き出したアタシとフジサキを連れ立って、都市内部の解説を始めた。
最初に説明されたのは道についてだった。石畳で綺麗に舗装された主要な大通りには、それぞれ鳥の名が名付けられている。
中心部にそびえるマルトゥス城まで伸びる一番大きな通りは『大鷲通り』。
貴族達の屋敷が軒を連ねる『白鳥通り』。
一般市民達の居住区を一直線に通る『つばめ通り』。
様々な品を取り扱う商店や旅人が泊まる宿場、冒険者ギルドがひしめき合い、一足が絶える事がない『鶏通り』。
このマルトゥスにすら存在する影の部分、娼館や賭博場、怪しげな薬物を取り扱う売人が客引きをする薄暗くて人通りが少なく、女性一人で行くのはお勧めできない場所『鴉通り』。
その他にも名もない通りが縦横無尽に交差し、初めて訪れた旅人がうっかり道を間違え、半日迷う事も珍しくない。
こんな感じで、フランツさんが街について丁寧に説明してくれた。
アタシとフジサキは頷いたり、たまに気になった事を質問したりしながら彼の隣について歩く。
アタシ達の質問にフランツさんは終始、笑顔で答えてくれた。
●○●CHOICE TIME!●○●
「イケメンとデートだ! ヤッター!!」
…… ≪ 86 ≫ へ進んでください。
「この笑顔の裏が怖いな」
…… ≪ 101 ≫ へ進んでください。
「悠長に街観光なんてしていていいのかな」
…… ≪ 168 ≫ へ進んでください。




