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まぁ、何はともあれフジサキのおかげで危機を回避できたわけだし、お礼を言っておこう。
「サンキュー、フジサキ。でもさ、一つ文句言っていい? アタシが槍を向けられた時点で助けて欲しかったんだけど。死ぬかと思ったし、ガチでおしっこ漏らすとこだったんだけど?」
「あの方は、最初からマスターを傷つける気などございませんでした。ですので、フォローは無用と判断致しました」
「何でそう言い切れるのかな? 根拠は何さ?」
不貞腐れた顔で見つめながら答えを待ってみる。
フジサキは自信たっぷりといった感じでこう言った。
「アイネ様はフランツ様と同じく《騎士道》を重んじていらっしゃる方だからです」
「……」
何のこっちゃ。よくわかんないな。
「うーん……まぁ、いっか! それよりアンタ、手は大丈夫なの? 素手で刃物受け止めてたけど?」
その推測に納得はいかなかったが、ふとフジサキの刃物を受け止めた方の手に目が行った。
フジサキは『問題御座いませんよ』と言って、アタシの目の前に手を広げて見せた。
掌には切り傷どころか、痕すら付いていなかった。
お前の肌は、未来の新素材かガン●ニウム合金ででも出来てるのか?
「大丈夫なら良いけど……それとアンタ、あの臭い台詞は流石にないわぁ」
「そうでございましょうか? ローナ村のお嬢様方はあの台詞で、大体大人しくなって下さいましたが?」
「対象年齢が全然違うでしょうが。あれはアイネお嬢様が純粋な初心だったから、通じただけだよ」
女が全員、あの台詞で落ちると思うなよ。
フジサキはイケメンだから、大体の場合は言っても許されるだろうけど、火に油を注ぐ可能性だって十分に有り得る。
★チヒロの【 D point 】は、【 1pt 増加 】しました。
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