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後日――。
王都に戻っていた討伐隊隊長を勤めていたエリック・レトリバーは、執務室である報告書に目を通していた。
一通り目を通した後、彼は机の上に分厚い書類の束を置き、机に両肘を突いた。
どこぞの地下組織の司令よろしくなポーズを取った彼は、しばし無言だった。
そして、まるで悪夢から覚めたような憂鬱な表情で口を開いた。
「フランツ様……何なのですか? この報告書は……」
若きカリスマと呼ばれる一人の騎士が書いた報告書。
それは誰がどう見ても、ペットの観察日記と見間違える出来だった。
一部の関係者に波紋を呼んだその報告書は、その日の内に『書き直し』の指示が早馬で送られたのだった。
このまま、≪ 66 ≫ へ進んでください。
寄り道「フランツさんによる『ある少女に関する極秘報告書』」でした。
それでは、話の本筋に戻りましょう。




