4-≪ 241 ≫
≪ 241 ≫
フジサキ……。アンタが口挟んできたせいで、フランツさんがメチャクチャ嫌そうな顔してるよ。
だから、ちょっとお口にチャックしてなさい。
ちょっとフジサキを肘でつつくと、アタシは固唾を呑んでその答えを待った。
「これは言い訳にしかならないけど……あの時の僕は、どうしても君を王都に行かせたくなかった。もっと君を知りたいと思った」
自嘲気味に笑うフランツさんの発言にアタシの中に激震が走った。
開いた口が塞がらないとはこの事だ。
何その台詞……一瞬、乙女ゲーの恋愛イベントでも発生したのかと思った。
告ってるの?
それ、出会ったばっかりのアタシに愛の告白してるの?
ちょっとオカシすぎない!?
「遠巻きに魔物に襲われる君を見つけて、助けた時から気になっていたんだ。これが運命ってヤツなのかな? なんてね! でも、異世界人の君を詳しく知りたいって言うのは本当だよ」
「アハハ、運命ですかー。フランツさんの冗談は面白いですねー」
乾いた笑いで何とか誤魔化したが、すっごい複雑な心境だ。
イケメンは好きだ。でも、フジサキで見慣れちゃってるし、あまり何とも思わない。
だいたい、異世界で恋愛する事は出来ないよ。だって、元の世界に帰り辛くなるじゃん。
二度と会えない、連絡できない長距離恋愛なんて、ただの悲恋でしかないじゃない。
初彼との別れがそれとか、死ぬまで恋愛できない体になりそう。
悲恋は見て楽しむもの。実体験は言語道断なのです。
~ 1st Scene End ~
★チヒロの【 A point 】【 B point 】を必ず記録しておいてください。
このまま、≪ 48 ≫ へ進んでください。




