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こんな人気のない路地で、一番会っちゃいけないタイプの2人組に遭遇してしまった。
筋肉男が横柄な態度でアタシの顔の覗き込んでくる。
反射的に一歩下がれば、『おっとぉ』と、腰巾着男がアタシの退路を塞ぐように背後に回り込んだ。
何、コイツら? おええ、気持ち悪い!
「あー。肩がいてぇなー。見ろよ、上がらなくなっちまった! これから魔物退治の依頼に行くっつーのに、ついてねぇーなー。この落とし前、一言謝っただけで済ませるつもりかぁ?」
「あーあー、こいつは大変だぁ。どうするんだい、お嬢ちゃん?」
2人は大げさな台詞をアタシに吹っかけてくる。
テンプレに忠実な当たり屋だ。本当にいるんだ、こういう輩。
フジサキがいてくれたら、ワンパン確定で倒してくれるだろうに。
力ではあきらかにアタシが不利だし、振り払って逃げてもすぐ追いつかれるだろうし。
ああ、もう! 当たり屋――じゃなくて、冒険者2人とJK1人じゃ分が悪いよ。
謝るだけじゃ許さないって言うなら、どうしろと? 土下座? それともお金?
「謝るだけじゃ駄目なんなら……どうすれば、許してくれるんですか?」
「どうしたらだぁ? そりゃぁ、なぁ?」
「兄貴! こいつ、どっかの貴族ん家のメイドみたいだぜ?」
「馬鹿野郎。んなのは、見りゃ分かんだよ。まぁ、身体の方は色々と足りねえが、顔はまあまあだ。メイドなんざ、どうせ貴族共のお手つきだ。使い捨てのメイド1人がどうなろうと、奴らは気にしねぇ」
アタシを余所に何やら不穏な会話をする男達。
うわ、嫌な予感しかしない。
本能がこの場から早く逃げろと叫んでいる。
逃げるなら、男達がアタシから目を離している今しかない。
やらなきゃ、やられる! どうせ逃げられないとか言ってる場合じゃない。
不意を突いて、背後の腰巾着男にタックルをしたアタシは逃走を試みた。
「あれれぇ? 何処行っちゃうのー? 話はまだ済んでないっすよ?」
細身の癖に案外タフだった腰巾着男は、アタシの渾身のタックルでは微動だにしなかった。
逃げようとするアタシの腕を掴んで、もう片方の手で腰をガッチリと押さえ込んできた。
気持ち悪ッ! 誰か! おまわりさーん、この人達痴漢ですッ!!
「は、離してッ! 人を呼びますよ!」
●○●CHOICE TIME!●○●
「コルデア家のメイドだと言って脅してみる」
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「男の腕に噛みついてみる」
…… ≪ 350 ≫ へ進んでください。




