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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第4章 アタシと、コルデア家
642/777

4-≪ 216 ≫

≪ 216 ≫


 こんな人気のない路地で、一番会っちゃいけないタイプの2人組に遭遇してしまった。

 筋肉男が横柄な態度でアタシの顔の覗き込んでくる。

 反射的に一歩下がれば、『おっとぉ』と、腰巾着男がアタシの退路を塞ぐように背後に回り込んだ。

 何、コイツら? おええ、気持ち悪い!


「あー。肩がいてぇなー。見ろよ、上がらなくなっちまった! これから魔物退治の依頼に行くっつーのに、ついてねぇーなー。この落とし前、一言謝っただけで済ませるつもりかぁ?」

「あーあー、こいつは大変だぁ。どうするんだい、お嬢ちゃん?」


 2人は大げさな台詞をアタシに吹っかけてくる。

 テンプレに忠実な当たり屋だ。本当にいるんだ、こういう輩。

 フジサキがいてくれたら、ワンパン確定で倒してくれるだろうに。

 力ではあきらかにアタシが不利だし、振り払って逃げてもすぐ追いつかれるだろうし。

 ああ、もう! 当たり屋――じゃなくて、冒険者2人とJK1人じゃ分が悪いよ。

 謝るだけじゃ許さないって言うなら、どうしろと? 土下座? それともお金?


「謝るだけじゃ駄目なんなら……どうすれば、許してくれるんですか?」

「どうしたらだぁ? そりゃぁ、なぁ?」

「兄貴! こいつ、どっかの貴族ん家のメイドみたいだぜ?」

「馬鹿野郎。んなのは、見りゃ分かんだよ。まぁ、身体の方は色々と足りねえが、顔はまあまあだ。メイドなんざ、どうせ貴族共のお手つきだ。使い捨てのメイド1人がどうなろうと、奴らは気にしねぇ」


 アタシを余所に何やら不穏な会話をする男達。

 うわ、嫌な予感しかしない。

 本能がこの場から早く逃げろと叫んでいる。

 逃げるなら、男達がアタシから目を離している今しかない。

 やらなきゃ、やられる! どうせ逃げられないとか言ってる場合じゃない。

 不意を突いて、背後の腰巾着男にタックルをしたアタシは逃走を試みた。


「あれれぇ? 何処行っちゃうのー? 話はまだ済んでないっすよ?」


 細身の癖に案外タフだった腰巾着男は、アタシの渾身のタックルでは微動だにしなかった。

 逃げようとするアタシの腕を掴んで、もう片方の手で腰をガッチリと押さえ込んできた。

 気持ち悪ッ! 誰か! おまわりさーん、この人達痴漢ですッ!!


「は、離してッ! 人を呼びますよ!」





●○●CHOICE TIME!●○●


「コルデア家のメイドだと言って脅してみる」

       …… ≪ 27 ≫ へ進んでください。


「男の腕に噛みついてみる」

       …… ≪ 350 ≫ へ進んでください。

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