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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第4章 アタシと、コルデア家
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4-≪ 213 ≫

≪ 213 ≫


 とは言っても、アタシもフジサキの事は良く分からんしなぁ。

 そもそも元携帯端末機だったヤツに、恋愛感情なんてオプションは付いているんだろうか? 

 イケメンで知識量は豊富だけど、肝心の中身は記憶インストールしないと、面白くも何ともないヤツなんだよ?


 これは相手が悪すぎる。アタシじゃ役に立てないし……丁重にお断りしよう。


「あの……ですね、アイネ様? アイツはぱっと見あんな感じですが、人間的にはちょっと欠陥があると言いますか……」


 だって元iPh●neだし。人間じゃないからね。


「アイネお嬢様が好きになるのは、何と言いますか……」

「す、すすす好きとかそう言うんじゃないわ!」


 いや、そんな顔を真っ赤にして言われても……。


「ち、ちょっと興味があるだけなのよ。家の者以外に槍を止められるなんて初めての事で……。あの日以来、あの人の事が頭から離れなくなってどういう人なのか、趣味は何なのか、想い人はいるのかとか! 色々、知りたくなって! で、でも話しかけようといざ、目の前に行くと顔がボーっと熱くなるし、胸もドキドキしてしまって、気が付くとその場を走り去っているの。こ、こんな気持ち初めてで、何が何だか分からないのよッ!!」


 アイネ、人はそれを『恋』と呼びます。

 これは……思った以上に重症ですな。残念ながら手遅れのようです。

 となると……フジサキに幻滅してもらうまで、アタシが付き合うしかないのか。


 ふと静かになったな……と思い、アイネの方を見ると、ベッドの縁に座ってどこか遠くを見つめていた。

 何だか落ち込んでいるようだ。

 アタシなんかに余計なことを喋り過ぎた、とか、コルデア家の令嬢として情けない、とか、そんなことを考えているんだろうか。





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