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アタシが必死に断ると、『異世界の料理』にひどく興味を持ってしまったらしいハル先輩が
「うーん……食ってみてぇんだけどなあ……」
と唸って腕組みをした。
もう、いい加減諦めてほしい……。
アタシは本当に、やったことないんだからさぁ……。
「おい、アイツは?」
「はい?」
「アイツ、フジサキ。アイツも同じ世界から来たんだろ? 作れねぇのか?」
「……」
そう言えば。
フジサキはローナ村ではほぼ毎朝テレサさんの手伝いをしてたし、作れるかも。
それに元iPh●neだから、料理方法も検索できるよね。
「できる……かも……」
「じゃあ、今日は二人がまかない当番ってことで。任せたからな!」
「あ、ちょっ……!」
ハル先輩は「うひょー、楽しみだぜー」とか叫びながら、ものすごい勢いで走り去ってしまった。
ちょっとちょっと、肝心のフジサキはどこにいるかぐらい教えてくれよ。
はぁ、とりあえずフジサキ探しから始めるか……。
アタシは大きな溜息をつくと、とぼとぼと歩き始めた。
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