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ロバート・コルデア・ブレイズ――。
それがフランツさんから事前に聞いていたお父さんの名前だ。
年齢は働き盛りの52歳だそうです。
アタシ達の目の前に立つロバートさんはフランツさんとフジサキを超える長身の巨漢だ。
逞しく鍛え上げられた筋骨隆々な身体、今にも軍服のボタンが弾け飛びそうだ。
顔も浅黒い肌と髭が相まって厳つく見えるし、その左目には眼帯をしていてる。
そこから歴戦を思わせる縦一文字の傷がはみ出しているが、この際そんなのはご愛嬌だ。
目はアイネと同じ、綺麗な青色でフランツさんと全然似てない。
唯一似ている所を挙げるのならば、栗色の髪だけだ。
最もロバートさんはその髪をオールバックにしてしまっているので、フランツさんのように柔らかいかどうかは定かではない。
つまり、アタシが何を言いたいのか。
『フランツさんのお父さんが、予想していたお父さん像と全然違っていて、正直震えるほど怖い』って言いたい。
もしアタシが小学生だったら、ギャン泣きしてたと思う。
それくらい怖い見た目のお父さんです。完全に、ヒグマか虎かゴリラの擬人化です。
アタシが今着ている服は、このお父さんがアイネの誕生日にプレゼントとして贈った物、らしいんだけど。
……このお父さんがコレを拒否られて、ショックを受けていただなんて信じられない。
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