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何だかフランツさんが可哀想になってきたので、アタシが自分の口から事情を話そうとした。
その時だった。
「私とマスターはティルバ連合国のスパイ容疑を掛けられており、監視のためこのコルデア家に滞在する事と相成りました」
アタシの後ろにいた筈のフジサキが、いつの間にかアイネの横に立っていた。
話に夢中になっていたせいか、アタシはその動きに全く気がつかなかった。
それはアイネも同様だったらしく、初めてその表情に動揺の色が見えた。
「いつの間に……? 貴方、何者なの? この女とはどういう関係なの!?」
「申し遅れました。私はフジサキと申します。マスターである宮間千尋様の持ち物で御座います。以後、お見知りおきを。アイネ様」
淡々と自己紹介を済ませると、フジサキは胸に手を当てて深くお辞儀をした。
その動作を唖然とした顔で見ていたアイネだったが、すぐに我に返った。
すかさず手にした槍をビュンと振るってフジサキの首筋につき付けた。
その行動を見ていたアタシとフランツさんに動揺が走った。
これはヤバイ。もしかしなくても、お嬢様の逆鱗に触れちゃったんじゃないか?
フジサキも何で刺激するような事をするかなぁ……余計にややこしくなった状況に、思わず頭を抱えたくなった。
●○●CHOICE TIME!●○●
「アイネを刺激しないように成り行きを見守ろう」
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「フジサキを守らなくちゃ」
…… ≪ 295 ≫ へ進んでください。




