4-≪ 169 ≫
≪ 169 ≫
この際、考えるな……感じろ。
インスピレーションのみで、乗り切るんだ千尋!
今ならまだ、打つ手はあるはずだッ!
死亡フラグは、この異世界に来てから何度も回避してきたじゃないか。
だから、今回もミラクルがきっと起こるさ。
大丈夫、大丈夫。落ち着け高鳴るこの心臓!
アイネから突然の強制呼び出しを食らったアタシは、ブツブツ独り言を呟きながら廊下を1人歩いていた。
「よう、チヒロ! お前、今から書庫の掃除だろ? この書物、持って行くの手伝ってくれよー」
次の仕事である書庫の掃除のために階段を上がろうとしていると、後ろから軽い口調の声が聞こえてきたので振り向いた。
「こら、ハル! チヒロに運ばせようとするなよ」
「お疲れ様です、マスター。どうなさったのですか? 顔色があまり宜しくないようですが」
大量に重ねた書物を余裕そうな顔で持つフジサキと、これまた大量の帳簿らしき物と巻かれた数本の洋紙をそれぞれ持ったマルコ先輩とハル先輩が踊り場に集合していた。
ニヤニヤしているハル先輩と彼を嗜める困り顔のマルコ先輩、そして無表情のまま首を傾げてアタシを心配するフジサキ。
持ち物から察するに、これから彼らも書庫に行くのだろう。
ちょうど良かった。何も1人で悩む事はないんだ。
この3人にさっき起こった事をありのままに話して相談すれば、何か良い打開策を授けてくれるかもしれない。
アタシは、上りかけていた階段を降りて3人に駆け寄った。
踊り場に降りると、持っている帳簿の山で顔が半分見えないマルコ先輩にも『どうかしたの?』と聞かれた。
「ハル先輩、マルコ先輩お疲れ様です。フジサキもお疲れ。いや……どうってほどの事はないんですけど、ちょっと3人にご相談したい事があってですね」
「相談?」
「はぁ、相談だぁ?」
「相談……でございますか?」
見事にハモッた先輩2人と、少し遅れたフジサキの反応。
●○●CHOICE TIME!●○●
「良かった、3人に相談してみよう」
…… ≪ 81 ≫ へ進んでください。
「やっぱり自分ひとりで解決した方がいいかな」
…… ≪ 231 ≫ へ進んでください。




