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ふ……フジサキっ!! 助けて!!
槍の刃を凝視したまま、左手をバタバタした。馴染みのある布の感触……思わずギュッと握る。
しかし……それに対するフジサキの反応は、皆無だったけど。
ひいぃぃ……。何なんだ。
いつザクッとやられるのか怖くて、刃先から目が逸らせない。
それでもどうにか勇気を振り絞り、視線だけで槍の刃が伸びている元を辿った。
長いテーブルの上に――隙の無い構えで槍を持ち、冷気を帯びた鋭い視線でアタシを睨む、1人の少女が立っていた。
飾り気のないダークブラウンの流れる様な美しい長髪に、サファイアの様に青く澄んだ瞳。
歳はアタシと同じか、少し下くらいだろう。
フランツさんと同様、容姿端麗の美少女だった。
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