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アタシは溜息をつくと、少し悩んだが落ち込んで座り込んでいるアイネの前に立った。
「協力しますよ、お嬢様」
「え?」
「お嬢様の恋路にアタシ協力します。フジサキの趣味とかタイプを聞いて、こっそりお嬢様にお伝えしたり、フジサキと話すきっかけを作れば良いんですよね? でも、最終的にフジサキに告白するかどうかはお嬢様の自己責任でお願いします」
アイネは、ポカンとした顔で目の前に立つアタシを見上げていた。
「その代わり、条件があります。今後一切、アタシをスパイ扱いして嫌味を言ったり、刃物を突きつけたりしないでください。それだけ守っていただければ、お嬢様の初恋が成就するように尽力します」
「私と取引したい、そう言いたいの?」
「条件としては、お嬢様の悩みに比べたら微々たる物でしょう?」
アタシは口の端を吊り上げて、条件をアイネに叩き付けた。
いつまでもこの家で肩身の狭い思いをしたくはない。
ここで元凶を断てば、後が楽になる。アイネに貸しも作れるしね。
少しの間、アイネは眉間に皺を寄せて考え込んでいたが……決心が付いたのか、顔を上げて再度アタシを見つめた。
「分かったわ。その条件を飲みましょう。ただし、この事は私と貴女だけの秘密よ。お父様はもちろん、お兄様にも絶対に言っては駄目。必ず厳守して頂戴」
「分かりました。約束は守ります。なので、お嬢様もお願いします」
「分かったわ」
アイネから手を差し出されたので、アタシはそれを握り返した。
こうしてアタシとアイネの間に同盟が結ばれた。
アイネの恋路に協力する。
何も知らない当のフジサキには申し訳ないが、アタシにはこうするしかないんだ。
許せ! フジサキッ!
「とりあえず、今晩辺りにでもフジサキから趣味と女性のタイプを聞きだしてみます。報告は明日のこの時間でよろしいですか?」
「ええ、頼んだわ」
このやり取りを最後に、アタシはアイネの部屋を退室した。
●○●CHOICE TIME!●○●
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