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カレの地元をいろいろ案内してもらって。
(これって“自分のことを知ってほしい”ってやつだよね!)
<いや違う、これから監視されて暮らすことになるから覚えとけ!ってことだよ>
色々な店をめぐって、時には手を繋いだりして。
(ウィンドウショッピングだ! はぐれないようにって言ってた!)
<いや違う、単に容疑者に逃げられたら困るってことだよ>
美味しいモスもアタシのために、と買ってくれて。
(何て優しいんだろう……。こんなに気遣ってくれるなんて!)
<いや違う、ここは自分の街だから逃げられないぞ、と見せつけたかっただけ>
…………。
何かうるさいな。
さっきからアタシの楽しい妄想に茶々を入れているのは誰だよ。
……って……アタシ自身かぁ……。
やっぱりそんな都合のいい夢はなかなか見れない体質だもんねぇ。
ふと、背後から第三者の視線を感じた。
忘れてたけど、コイツがいたんだった。
ときめくアタシの背に、フジサキが冷めた視線を浴びせていた。
無表情がさらに無表情になっている――と言うか、もしかして怒ってる?
アタシは咳払いをして邪念を振り払う。
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