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フジサキが口を挟んだのが気に入らなかったのか、フランツさんがメチャクチャ嫌そうな顔をしている。
そんな露骨な顔をしなくてもいいのにな、と思いながら、アタシは固唾を呑んでその答えを待った。
「これは言い訳にしかならないけど……あの時の僕は、どうしても君を王都に行かせたくなかった。もっと君を知りたいと思った」
自嘲気味に笑うフランツさんの発言に、アタシの中に激震が走った。
開いた口が塞がらないとはこの事だ。
何その台詞……一瞬、乙女ゲーの恋愛イベントでも発生したのかと思った。
告ってるの?
それ、出会ったばっかりのアタシに愛の告白をしてるの?
ちょっとオカシすぎない!?
「遠巻きに魔物に襲われる君を見つけて、助けた時から気になっていたんだ。でも、異世界人の君を詳しく知りたいっていうのは本当だよ」
呆気にとられたアタシの顔を見て慌てたのか、フランツさんはそう言葉を付け加えた。
何だ、そういう意味か。変な汗をかいちゃったよ。
「アハハ、運命ですかー。フランツさんの冗談は面白いですねー」
乾いた笑いで何とか誤魔化したが、すっごい複雑な心境だ。
イケメンは好きだ。でも、フジサキで見慣れちゃってるし、あまり何とも思わない。
だいたい、異世界で恋愛する事は出来ないよ。だって、元の世界に帰り辛くなるじゃん。
フジサキと一緒に、何としても元の世界に帰る。
これが一番の目標なんだから。
~ 1st Scene End ~
★チヒロの【 A point 】【 B point 】を必ず記録しておいてください。
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