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「ふ、フジサキ……」
アタシは肘で隣のフジサキをつつくと、小声で話しかけた。
「どうなってんの、コレ……」
「マスター、人前で内緒話をすることは大変失礼ですよ」
「そ、そうだけどさあ……」
「――チヒロ、どうやらグレッグからは何も聞いてないみたいだね」
唐突に話しかけられ、アタシはビクッとして振り返った。
フランツさんがやや困ったような顔をしている。
「ええ、まぁ……。とにかくすぐにわかる、としか……」
「そうか……。いいかい? チヒロ、フジサキ。君達は僕の実家、ここコルデア家で預かる事になったんだ」
え? 何だって? どういうこと?
預かるって何? マルトゥス城に軟禁されるんじゃなかったの?
あれ? アタシ、兵士さん達から言われもないパワハラを受けるんじゃ……。
もしかして、違うの? ただの勘違い?
「ようこそ! 我がコルデア家へ! 歓迎するよチヒロ、フジサキッ!!」
アタシ達に向かって、両腕を広げて子供のように無垢な笑顔を浮かべるフランツさんにどう返事を返せばいいのか分からなかった。
フジサキは相変わらず『マスター共々、お世話になります』とウィルソンさんに挨拶を済ませていて、『これは御丁寧に』と返されていた。
とりあえず、すっかり混乱してしまったアタシに出来たのはこれくらいだった。
「えぇえええええええッ!!!」
アタシの叫び声が、コルデア家の広い庭とマルトゥスの青空に木霊した。
●○●CHOICE TIME!●○●
「フランツさんに聞いてみる」
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「どういうことか、考えてみる」
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