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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第4章 アタシと、コルデア家
554/777

4-≪ 128 ≫

≪ 128 ≫


 フジサキには、人間の『恋愛感情』なんて複雑なものは理解できないだろう。

 徐々に人間らしく成長してるけど、色恋はまだ早すぎる気がする。

 そんなフジサキとアイネを、どうやってくっつけるか。

 ……あれ。待てよ? 何か大切な事忘れてる気が……。


「ほあぁッ!!」


 廊下のど真ん中で立ち止まると、アタシは頭を抱えた。

 2人をラブラブにしちゃ駄目じゃんか! 

 二人の仲がいい感じに進展して、相思相愛の関係になったと仮定するよ。

 この家を出て行く当日になって『私、アイネ様と婚約いたしました。ですので、マスターはお1人で元の世界にお帰りになる方法をお探しください』って事になったらどうるすよ。

 何の取り得もない異世界人のアタシがフジサキ無しでやっていけるか? 答えはノーだ。


 あぁー! ちょっと考えれば分かる事なのに、何でそんな一番大切な事を忘れてんだ!

 生活に余裕が出てきたからって、人の恋愛事情に首を突っ込んでいる場合じゃなかった。

 でも、断れるような感じじゃなかったし……。

 アイネには申し訳ないが、何としても二人の関係が上手くいかないように立ち回らなければ。

 今度こそ冷静に頭を使って、上手くやらねば。バレたらそこで試合終了です。



 そこまで一気に考えて、一旦落ち着くために深呼吸をした。

 異世界転移したヒロインって、こんな他人事で悩むもんなのかな?

 なんて言うか、もっと壮大なイメージがあったんだけど。

 自分にとんでもない特殊能力がある事に気が付いて、勇者という職種に就く。

 頼れる仲間を集めて冒険の旅へ出ると、名のある難関ダンジョンを次々と攻略、冒険の中でパートナーといい感じになって、世界を滅ぼそうとする魔王を倒すために修行に明け暮れて……。

 そんな感じで、彼らの異世界生活は充実している。

 それと比べて、アタシの異世界生活ときたらどうだ。命の危機と隣り合わせになる事も、世界を救わなくちゃいけないというプレッシャーもない、他人の恋路のために悩む程度の低刺激で平凡な日常生活を送っている。

 アタシがこの世界に来た意味って何なんだろう?

 そもそも意味なんてあるのかな……? うーむ。





●○●CHOICE TIME!●○●


【 Key word 】の【 紳士 】と【 淑女 】について


 両方とも持っている

       …… ≪ 201 ≫ へ進んでください。


 片方ないか、あるいは両方ない

       …… ≪ 159 ≫ へ進んでください。

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