4-≪ 123 ≫
≪ 123 ≫ ~ 6th Scene Start ~
久しぶりのお風呂を満喫したアタシ。
欲を言うなら、シャワーとボディーソープ、シャンプーにリンスが欲しかったけど、水道事情が日本とは雲泥の差の異世界で、それは高望みというものだ。
温かいお湯が張られたバスタブといい香りのする石鹸、リンス代わりの仄かに甘い香りのする香油だってあった。
これはどう考えたって好待遇だ。心の内で感謝しながら、用意されていた布で身体を拭く。
1ヶ月以上着の身着のままだった制服は、当然の事ながら洗濯行きだ。
ハッ!? もしかしてアタシ、ここまでずっとスパイシーな香り(悪い意味の刺激臭)を放ってたんじゃ?
フジサキやグッさんはともかく、フランツさんやアイネも実は『コイツくっさ、マジねぇわw』って、心の中では毒づいていたんじゃ……。
そういう意図があったから、さり気なくフランツさんはアタシにお風呂を勧めたのか!
もし本当にそう思われていたのなら、大変ショックなんだけど。
コルデア家の人々の限りない優しさに涙が零れそうだ。
念のために言っとくけど、アタシは汚ギャルじゃないからね。
不安になって、こっそり自分の制服の臭いを嗅いでみた。
制服の上着やスカートからは埃っぽい臭いはしたものの、どちらも刺激臭とは言いがたい。
うん、たぶん大丈夫……たぶんね。自分の体臭に自信がなくなってきた。
だからと言って、フジサキに『アタシって臭い?』って聞いて、『はい、マスターからは零れた牛乳を拭いたまま放置した雑巾のような腐乱臭が致します』なんて、オブラートで包む気がサラサラない言葉で即答されたら、アタシはその場で窓を突き破って、号泣しながら行方を眩ます自信がある。
そして元の世界に戻る旅より先に、体臭を消す旅に出ます。絶対に探さないでください。
いい加減、臭い云々はやめにしよう。虚しくなってきた……。
●○●CHOICE TIME!●○●
「用意された服について考える」
…… ≪ 29 ≫ へ進んでください。
「自分の身体について考える」
…… ≪ 337 ≫ へ進んでください。




