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この際、考えるな……感じろ。
インスピレーションのみで、乗り切るんだ千尋!
今ならまだ、打つ手はあるはずだッ!
死亡フラグは、この異世界に来てから何度も回避してきたじゃないか。
だから、今回もミラクルがきっと起こるさ。
大丈夫、大丈夫。落ち着け高鳴るこの心臓!
アイネから突然の強制呼び出しを食らったアタシは、ブツブツ独り言を呟きながら廊下を1人歩いていた。
「あれー、チヒロ、こんなところでどうしたの?」
次の仕事である倉庫の掃除のために廊下を歩いていると、後ろから元気な口調の声が聞こえてきたので振り向いた。
「ほら、チヒロ! 今から倉庫の掃除でしょ? この燭台、ちょっと持って~。すごく重いのー」
「ほぅら、シェナ! 気を抜くとバランスが崩れるよ!」
「っとと……わっ!」
「全くもう……言わんこっちゃないねぇ」
「お疲れ様です、マスター。どうなさったのですか? 顔色があまり宜しくないようですが」
大量に重ねた重そうな箱を余裕そうな顔で持つフジサキと、いくつかの燭台を抱えたシェナ、そして箒やはたき、チリトリなどの掃除道具を持ったビアンカ姉さんが集合していた。
あわあわしているシェナと呆れ顔のビアンカ姉さん、そして無表情のまま首を傾げてアタシを心配するフジサキ。
持ち物から察するに、これから彼女らも倉庫に行くのだろう。
ちょうど良かった。何も1人で悩む事はないんだ。
この3人にさっき起こった事をありのままに話して相談すれば、何か良い打開策を授けてくれるかもしれない。
アタシは3人に駆け寄ると、とりあえずシェナの手から落ちそうになっている燭台を持った。
アタシの浮かない表情に気づいたのか、ビアンカ姉さんに『どうかしたんだい?』と聞かれる。
「シェナ、ビアンカ姉さん、お疲れ様です。フジサキもお疲れ。いや……どうってほどの事はないんですけど、ちょっと3人にご相談したい事があって……」
「相談ー?」
「えっ、相談だって?」
「相談……でございますか?」
見事にハモッた先輩メイド2人と、少し遅れたフジサキの反応。
●○●CHOICE TIME!●○●
「やっぱり自分ひとりで解決した方がいいかな」
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「良かった、3人に相談してみよう」
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