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「ありがとうございます、フランツさん。でも、アタシにはフジサキがいるので、心配はご無用ですよ。本当に困った事があった時は、フランツさんに相談しますね」
「……そうか」
御心配には及びませんよ! の意を込めたアタシの返答を聞いた途端、フランツさんの腕が宙を彷徨い、一旦停止してから力なく下ろされた。
神妙な顔つきが一瞬、悲しげな表情に変わったのはなぜだろう?
チラリと視線だけがアタシの背後にいるフジサキを捉えた。
1人で百面相をしているフランツさんを不思議に思ってその顔を覗き込もうとすると、彼はいつものイケメンスマイルを浮かべて、『父さんが待っているから行こう』と私の横をすり抜けて行った。
伸ばされたその手に何の意味があったのか、アタシには分からなかった。
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