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≪ 112 ≫
「えーと、ごめん……やっぱりいいです」
3人とも重そうな荷物をたくさん抱えている。きっと本当に忙しいんだ。
みんなやるべき仕事はたくさんある。……アタシなんかに付き合わせるのは、申し訳ない。
「何言ってんのよ、チヒロ! 私達で良ければ相談くらい、いくらでも……」
「シェナは黙ってな。相談に乗るのは構わないけど、チヒロもまだ仕事があるんじゃないのかい?」
「そ、そ、そうでした。ですよね!」
ははは……と乾いた笑いをすると、黙ってアタシ達の動向を見守っていたフジサキと目が合った。
「マスター……」
「あ、大丈夫、全然問題なし。……アタシも掃除道具、取ってくる!」
アタシはそうフジサキに言うと、その場を立ち去った。
なるべく早足で掃除道具を取りに向かう。
フジサキに依存し過ぎるのはよくない。
この間も、そう考えたばかりじゃないか。
それに……死亡フラグとか、ビビリ過ぎだ。
仮にもコルデア家の『黒百合姫』ともあろう方が、メイドを手打ちにするとかあり得ないって。
★チヒロは【 Key word 】の【 黒百合姫 】を入手しました。
それに、何だかいつものおっかない感じじゃなかった……妙に慌てていたし。
ここはとにかく、素直にアイネの部屋を訪ねるとしよう。
……怖いけど。
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