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≪ 110 ≫
「……ありがとうございます。あのシェナさん、一つお尋ねしても良いですか?」
「うん? なになに? 何でも聞いてー」
数秒躊躇った後、アタシはシェナに小声で聞いてみた。
「アタシ、スパイ容疑が掛かっててこの家で監視される事になったんです。その……アタシの事、どう思いますか?」
「えー? そうだなぁー」
うーんと、暫く考えるような素振りをしてからシェナは一人納得したように頷いた。
不安気な表情で見ていたアタシを目を合わせ、肩にポンと手を置いてニコッと笑ってくれた。
「旦那様が認めた子なんだから、私達は何とも思わないよ! 大体、私達全員って前科持ちみたいなもんだし。また家族が増えたって、皆喜んでるんだよ。チヒロの事をもっと知りたいって!」
「えっ……」
シェナの輝く笑顔をポカンとした顔で見つめていると、彼女はアタシの背後に回ってその背をグイグイと押した。
急かすようなその行為に驚いていると、彼女の声が背後から響いた。
「ほらほら、メイドの仕事はいっぱいあるんだから! こんな所でボーっとしてたら、エレノアさんに怒られちゃうよ。お話はお仕事しながらしようね! 私達、歳が近いみたいだからそんな堅苦しい敬語やめてよねー。何だか、肩がこりそう!」
★チヒロの【 F point 】は、【 2pt 増加 】しました。
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