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よし、アタシを先頭にして出発だ!
「じゃあ、行くよ!」
「はい、マスター」
アタシは元気よく駆けだした。
早く『帰る方法』を見つけ出して、こんなトコからオサラバだー!
……そう言えば、男性コーラスグループがこんな歌を歌っていたような……。
あれ? 違ったっけ?
サヨナラの方だったっけな。それとも両方?
「――マスター!」
急にアタシはグイッと腕を掴まれて、尻餅をついた。
そのままフジサキが覆いかぶさってきて、目の前が黒でいっぱいになる。
「ちょ、フジサキ、何……」
「危険です!」
「……え!? 何が……」
喚きかけて……思わず、息を呑んだ。
★チヒロの【 Mental 】は、【 2pt 減少 】しました。
★フジサキの【 Physical 】は、【 2pt 減少 】しました。
アタシ達の目の前にいたそいつ。
テレビで見た搾乳されるホルスタインより遥かにデカい、大きく裂けた口にギザギザの牙をギッチリ生やした二足歩行の見たこともない生き物。
頭上で時折ぴくぴくと動く長い耳、ふわふわでもふもふの白い体毛で、「あ、ウサギ……かもしれない」と頭が誤認識する。
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