表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第4章 アタシと、コルデア家
481/777

4-≪ 55 ≫

≪ 55 ≫


「し、失礼致します」


 小さく言ってアタシはそそくさと中に入ると、音を立てないようにドアを静かに閉めた。

 振り返って、初めて入ったアイネの部屋を見渡してみる。

 綺麗過ぎるほど、整理整頓された部屋だ。女の子らしい家具や小物がちらほら置かれているものの、数はあまり多くない。年頃の女の子の部屋にしては閑散としている。

 一番幅を取っているのは、部屋の壁側に置かれた天蓋付きのベッドだ。


「話があると言ったでしょう。もっとこっちへ来なさい」


 ドアの前に突っ立ったままでいると、アイネに呼ばれた。

 椅子に姿勢良く座るアイネに、アタシはゆっくりと様子を覗いながら近づいた。

 もちろん、いつでも逃げられるように頭の中では部屋からの逃走経路が現在進行形で計算されている。

 アイネの前まで来ると、アタシはモジモジとスカートを両手で弄りながら尋ねた。


「あの……お嬢様、お話とは何でしょう?」

「…………」



 アタシが聞いてから、えらく長い時間、部屋には沈黙が流れた。

 えー、話があるって言ったのはそっちじゃんよ。

 何でここにきて、だんまり決め込んでんの? 

 この後も仕事があるアタシへの新手の嫌がらせか? どんだけアタシの事が嫌いなんだよ……。

 もうこの際アタシの事が嫌いなのは良く分かったから、仕事に支障が出るような虐めはやめて欲しいな。

 話がないんなら、帰るぞアタシは!


「あのー……お」

「じ、実は貴女に相談したい事があるのッ!」


 アタシの控えめな声をアイネの大声が見事に遮った。

 ん? 相談だと?

 アイネはさっきの冷静な顔を一変させて、頬を真っ赤に染めている。

 どうやら中々、言い出せなかっただけらしい。

 てか、相談なら新人のアタシになんてしないで乳母でもあるエレノアさん辺りにすればいいじゃないか。

 何で、わざわざ嫌ってるアタシになんかするんだろ?


「相談ですか?」

「そ、そうよ! 貴女の事は信用してないし、大嫌いだけど……どうしても聞きたい事があるのよ。えっと、その……あの人のことで……×××……一緒にいるの×××……」


 いつもの威勢のある声は何処へやら、アイネから出てきた言葉は歯切れが悪いし、最後の方は聞き取ることもできないほどの小声だった。

 聞きたいことってなんだろうか? つーか、『あの人』ってどの人のことよ?

 顔を真っ赤にして、しおらしくなってしまったアイネは、シャツの裾を皺が出来るくらいギュッと握っていた。

 視線はアタシから逸らされてはいるが、たまにチラチラと見ている。





●○●CHOICE TIME!●○●


「フランツさんのことかな」

       …… ≪ 140 ≫ へ進んでください。


「フジサキのことかな」

       …… ≪ 227 ≫ へ進んでください。


「あの人が誰か聞いてみる」

       …… ≪ 245 ≫ へ進んでください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ