4-≪ 34 ≫
≪ 34 ≫
どんなヤツなんです? と軽い気持ちで聞き返そうとしたその時だった。
近くで遊んでいた子供達の1人が、頭に枝を二本、ベルトで括りつけて大声でこう叫んだ。
「グワッハッハッハッ! 俺様は《ちょうかくぞく》だぞッー! 人族め、皆殺しにしてやるッ!」
『ちょうかくぞく』――。
子供がその言葉を発した途端、通りかかった人々や母親達の視線が一気に集中した。
ママ友と話していた母親が、血相を変えてその子供の元に走って来た。
頭に付けた枝を乱暴に叩き落すと『その名前を言っては駄目といつも言ってるでしょうッ!』とヒステリックな声で怒鳴りつけた。
叱られた子供は何故自分が怒られたのか、理解できなかったのだろう。
見る見るうちに大きな目に涙を浮かべて泣き出してしまった。
周りの通行人達の顔を見れば皆、蒼白だった。脂汗を浮かべている人さえいる。
まるでお化けでも見たかのかと言いたくなる表情だった。
そして我先にとその場から退散して行く。
★チヒロの【 B point 】は、【 1pt 増加 】しました。
このまま、≪ 73 ≫ へ進んでください。




