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そういえば……フランツさんが言う『あの方』にはいつ会えるのだろうか? 忙しい人らしいが、出来るだけ早く会いたい。
いつ会えるのかを聞こうと、アタシは顔を上げた。
正確には上げようとしたが――フランツさんの目にも留まらない一瞬の動作で、その動きは静止された。
キィイイン――。耳を劈くような金属がぶつかり合う高い音が、客間に響いた。
反射的に閉じてしまった眼を開けると、アタシの目の前にはギラリと輝く槍の切っ先が向けられていた。
鼻の先に付いてしまいそうな位置にあるその刃は、フランツさんが腰に携えていた剣によって制止されていた。
椅子から立ち上がり、剣を構えるフランツさんはある一点を睨んでいる。
一体、何が起こったのか……。全く分からなかった。
刃先を数秒見つめてからフリーズしていた頭が一気に動き出し、ガタンと音を立ててアタシは椅子から仰け反った。
「ヒ、ヒェ……」
尻餅をつくのと同時に喉の奥から情けない声が出た。
両脚はガクガクと笑ってしまっていて、立ち上がれない。
●○●CHOICE TIME!●○●
「ふ、フジサキ!! 助けて!」
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「だ、誰が槍を向けてるんだ!?」
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