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フジサキの言葉に、フランツさんが少し不機嫌そうな表情になった。
「え? あの……うちのフジサキが何か失言でもしましたか?」
思わず聞くと、フランツさんはハッとしたような顔をして、慌てて笑顔を作った。
「いや?」
「え、でも……」
「いいから。……それでね、マルトゥスは僕の生まれ故郷なんだ。チヒロ、フジサキ、君達にこの城下町を案内するよ。任務についてはその後で。さぁ、行こう」
「え? あ、待ってください!」
集まる人目を気にすることなく、フランツさんはあっちゃんを連れて歩き出した。
慌ててその後を追う。
「マスター、私が失言とはどういうことですか」
隣を歩くフジサキがやや不機嫌そうに言う。
ったく、どいつもこいつも面倒くさいな!
「今それどころじゃないって。……あ、フランツさーん!」
長い脚でスタスタと歩くフランツさんにどうにか追いつく。
アタシの隣についてきたフジサキが、やや不満そうに溜め息をついた。
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