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「え、いいんですか?」
「勿論」
「ありがとうございます!」
フランツさんから笑顔でモスを受け取ろうとすると、フジサキが「お待ちください」と言ってアタシの手を遮った。
「相変わらず、マスターは見ていて呆れるほどの大食らいでいらっしゃいますね。ですが、それはフランツ様の分です。私は食べませんので、この果実はマスターがお食べください」
「え? あぁ、ありがとうフジサキ」
「マスターの空腹を満たすのも私の務めですので」
フジサキは澄ました顔でそう言ったが、何か様子が変だ。
会話に混ざれなくて、寂しかったのか? アンタ、そんな柄じゃないでしょ。
折角買ってくれたフランツさんの目の前で食べない宣言とか、失礼すぎやしないかい?
「それは配慮が足りなくてすまなかったね、フジサキ。いらないなら、いらないって言ってくれて構わなかったんだよ?」
フランツさんが刺々しい言葉を投げかける。
……確かに、フランツさんはフジサキに対して、もっと怒ってもいいと思う。
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