4-≪ 1 ≫
≪ 1 ≫ ~ 1st Scene Start ~
ティルバ連合のスパイ容疑をかけられたアタシとフジサキは、グッさんことグレッグ討伐隊隊長補佐の監視のもと、城塞都市マルトゥスに移送された。
このマルトゥスで身元引受人の監視下に置かれるらしい。
アタシ達、これからどうなっちゃうの……?
……と、不安におののくアタシを置いて、グッさんは「達者でなぁー!」とお気楽に去っていってしまった。
おい、コラ、グッさん。
ここは普通、
「ここが今日からお前が住むところだ」
「こ、ここが……」
「雨露しのげて食事が与えられるだけマシだと思うんだな」
「うう……」
……みたいなやり取りを経てちゃんと引き渡しまでするもんじゃないのか。
異邦人を初めて来た全くわからない場所に置き去りにするとは……。
そんなことを考えながら、アタシはぐるりと辺りを一周見回した。
そして最後に広場の中央部に視線を戻す。
するとその視線の先にアタシ達に背を向けて立つ、もう1人の人物がいた。
白銀の甲冑姿に、見覚えのある栗色の髪。
隣には同じく、栗色の美しい体毛の馬がしなやかな尾を振り、主人であるその人物に寄り添っている。
「あ……」
「マスター、あのお方はもしや……」
目を逸らせずにいると、その人物が優雅な動作でこちらに振り返った。
優しい深緑色の瞳に、爽やかな笑顔。アタシは口を開けたまま、その人物を指差したがフジサキによってその手はすぐさま下ろされた。
いや、だってさ。まさかあの人がここに残ってるとは思わなかったからさ。
「帰還任務中は忙しくて会えなかったけど、元気そうで何よりだよ。チヒロ」
そうアタシに話しかけてきたのは、『若きカリスマ』と呼ばれる誉れ高き青年騎士、フランツ・コルデア・ブレイス――その人だった。
●○●CHOICE TIME!●○●
「フランツさんに会えて嬉しい!」
…… ≪ 47 ≫ へ進んでください。
「何でこんなところにフランツさんが!?」
…… ≪ 221 ≫ へ進んでください。




