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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第3章 アタシと、グッさん
417/777

3-≪ 51 ≫

≪ 51 ≫


「じゃあ、グッさん、おっさん、ハゲの3択なんだけど、どれがいい?」

「人の話を聞いてたか? 大体、何なんだよ! その偏った選択肢はッ!!」

「だって、ハゲだしおっさんだし。特徴をちゃんと捉えてるから偏ってない」

「これはなぁ、意図的に剃ってんだよ! ほっときゃ、ちゃんと生えてくんだよッ!!」

「ほんとかなぁー? 疑わしぃー……」

「グレッグ様、一般的に禿げには海藻が良いとされていますが、あれは誤った知識です。海藻に育毛効果は全く期待できません」

「お前ら……俺に何か恨みでもあんのか?」

 

 グッさんは溜息をついた。


「それになぁ、おっさんって呼ばれるほど俺は年取ってねーよ!」

「そうなの? グッさんって、何歳?」

「グッさん言うな! こう見えてもまだ32だ! どうだ!? 全然、おっさんじゃないだろ?」


 自慢げに言うグッさんの言葉をアタシは鼻で笑った。

 何を言うかと思えば、わかってねぇな。この海坊主は……。


「25を過ぎたら男は皆『おっさん』なんだよ。グッさん、もう認めよう?」


 グッさんの肩をポンと叩いてアタシは諭すように言った。

 それでも納得がいかなかったのか、グッさんは荷馬車の奥で行儀良く座っているフジサキをビシッと指差した。

 指差されたフジサキは、「はて?」と言った感じでこっちに目を向けた。


「25歳からがおっさんなら、自称27歳のアイツもおっさんだろ!!」


 そんな苦し紛れの主張にアタシは無慈悲な鉄槌を下した。

 見苦しい上に髪のない男はモテないんだよ。それが現実さ。


「フジサキはイケメンだから『おっさん』にはならないんだよ。これが顔面格差……逃れられない宿命なんだよ」

「クッソォー!!」


 本気で悔しがるグッさん。ハッハッハッと乾いた笑いを響かせるアタシの前に手をついて屈服した。

「もうグッさんでいい」と力なく呟いたグッさんの隣に座ると、アタシは最初の話題に話を戻した。





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