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石橋を渡り、マルトゥスの城下に入って少し進んだところにある円形の広場で部隊は歩みを止めた。
グッさんはアタシ達の手錠を外してから荷馬車を降りるように言った。
両手に唯一の手荷物である小箱を持って荷馬車の荷台から飛び降りる。
フジサキが石畳の上に降りたのを確認すると、グッさんは部隊の先頭へと小走りで行ってしまった。
たぶん、フランツ副隊長にアタシ達の手錠を外した事でも報告しに行ったのだろう。
外には凱旋した騎士の一団に興味を持った市民達が集まってきていた。
都市に住んでいるからか、皆、ローナ村の村人達よりもいくらか良い身なりをしている。
思い思いの言葉を騎士達に叫んだり、花を持った少女達が騎士達に花を渡し、小さな子供達がその姿を憧れの眼差しで見つめている。
マルトゥスではやはり騎士と言う職業は人気がある。
アタシが集まった人々を観察していると、先頭に出向いていたグッさんが戻ってきた。
「半月の付き合いだったが、お前らとはここでお別れだ」
帰ってきて早々、グッさんはアタシの頭をワシャワシャと力強く撫でた。
●○●CHOICE TIME!●○●
「いきなり別れを告げられても、意味がわかんないよ」
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「そうか、グッさんもアタシを見捨てるのか……」
…… ≪ 55 ≫ へ進んでください。




