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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第3章 アタシと、グッさん
405/777

3-≪ 39 ≫

≪ 39 ≫


「でも、世界中の何処からでも魔瘴気は出てるんでしょ? 城壁で囲ってある所じゃ森みたいに溜まっちゃうんじゃないの?」


 アタシの素朴な疑問に、グッさんはにやりと笑ってチッチッチッと人差し指を振った。


「都市にはなぁ、魔力を吸収する『吸魔石』っつう、一部の地域でしか取れねぇ貴重な魔石が地盤の敷石にしてある。そいつが魔瘴気を半永久的に吸い上げる事で都市が魔物で溢れる事がねえのさ!」

「へぇー。そりゃ、すごいや!」

「だろぉ?」

「ちょっとグッさんに質問! ローナ村で『精霊石』を見た事があるんだけど、『魔石』と『精霊石』って何が違うの?」


 アタシの素朴な疑問にグッさんは腕を組んで少し考え込む素振りをした。

 空を仰いで数秒黙っていたが、やや自信なさ気な顔でアタシに向き直った。

 頬を掻きながら、必死にどう説明すべきか考えているグッさんを不覚にも癒しを感じた。

 秀逸なデザインのキモ可愛い、ゆるキャラを見てる感覚に近いね。

 いや。そんな事はどうでもいいから、今はグッさんの説明に集中しよう。


「専門外だから詳しい事は俺にも分からんが……『精霊石』は魔大陸のみで採れる精霊を閉じ込めた特殊な石で、術者の詠唱次第でどんな魔法でも使えるらしいな。一方、『魔石』ってのはゼオス・ゼロス以外のどの大陸でも採掘できる。取れるっつっても、そんなに大量にじゃねぇから、貴重って意味では『精霊石』と同じだ。それぞれの石によって発動する魔法の効果が違うから、用途によって使い分けるんだ。『吸魔石』は数ある魔石の中でも取り分け貴重な石だ。今じゃ殆ど採れてねぇって話を聞いた事がある。俺が知ってる『精霊石』と『魔石』の知識はそれくらいだな。どうだ? 分かったか?」

「うんとねぇ。とりあえず、どっちも高級品なんだって事は分かった」

「全然、理解できてねぇじゃねーかッ!!」





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