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「じゃあ、おっさんで」
「何でそうなる!」
グッさんは大声で食って掛かってきた。
「俺はなぁ、おっさんって呼ばれるほど年取ってねーよ!」
「そうなの? グッさんって、何歳?」
「グッさん言うな! こう見えてもまだ32だ! どうだ!? 全然、おっさんじゃないだろ?」
自慢げに言うグッさんの言葉をアタシは鼻で笑った。
何を言うかと思えば、わかってねぇな。この海坊主は……。
「25を過ぎたら男は皆『おっさん』なんだよ。グッさん、もう認めよう?」
グッさんの肩をポンと叩いてアタシは諭すように言った。
それでも納得がいかなかったのか、グッさんは荷馬車の奥で行儀良く座っているフジサキをビシッと指差した。
指差されたフジサキは、「はて?」と言った感じでこっちに目を向けた。
「25歳からがおっさんなら、自称27歳のアイツもおっさんだろ!!」
「フジサキはイケメンだから『おっさん』にはならないんだよ。これが『顔面格差』……逃れられない宿命なんだよ」
「クッソォー!!」
本気で悔しがるグッさん。ハッハッハッと乾いた笑いを響かせるアタシの前に手をついて屈服した。
「もうグッさんでいい」と力なく呟いたグッさんの隣に座ると、アタシは最初の話題に話を戻した。
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