3-≪ 21 ≫
≪ 21 ≫
見渡す限りの草原――、ああ、これは草はえますわ。
い渡す限り快晴の青空――、半分どころか、全部青い。
心地よい風が緑の海原を渡っていく。
青と緑の狭間を隊列を成した一つの集団が、ウェンデール王国王都へと続く街道を進んでいた。
「あーるぅー晴れたぁ、昼下がりぃー。城塞都市へ荷馬車ゆくぅー」
隊列の中央付近――。
ガタガタと揺れる荷馬車の中から、調子外れの歌が聞こえてくる。
声からして歌っているのは少女である事は間違いない。
「可愛いぃーJKー、売られてゆくよぉー。悲しぃーそうな瞳で見ているよぉー」
荷馬車の外を歩く兵士達は、その歌を聞いても誰一人反応しない。
注意する者はおろか、その調子の外れようを笑う者すらいない。ただ、黙々と歩いている。
それも当然。彼らはその微妙過ぎる内容の歌を聞き慣れてしまっているからだ。
それにそんなくだらない事で、余計な体力を消費したくないのだろう。
目的地までは、まだまだ遠い。平原にも魔物は出現する。
隊列が襲われれば、戦わなくてはならない。
妥当な判断だ。
「ドナドナドーナー、ドォーナァー。JKを乗せぇーてぇー。ドナドナドーナー、ドォーナァー、荷馬車がゆーれーるぅー。……あー、替え歌もそろそろ飽きてきたな」
●○●CHOICE TIME!●○●
「グレッグさんに話しかける」
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「これまでのことを考える」
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