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本当にiPh●neなら、ここがどこかわかるのかな。
「えっと……」
iPh●neさん、と言いかけて、ハタと止まってしまった。
解決すべき最優先の問題は、ここだ。
この男――自称『iPh●ne』の呼び名だ。
名前がいくら何でも呼びづらい上に、何かに引っかかりそうな気がする。
下手に連呼すると、もう亡くなったはずのア●プル創始者の眼鏡のおじさんが墓から這い出てきて、片手に持ったリンゴをグシャッと握りつぶしながら「次は君の番だ」とか言い出しそう。
ヒェ、超怖いんですけど。
アメリカは権利を侵害されたら即裁判が基本の社会。
相手は、それはそれは大きな会社だから、やり手のお抱え弁護士を何人も雇っているはず。
アタシの敗訴確定じゃないですか、ヤダー……。
JKにして、アタシの人生が金銭的、法令的な意味で終わってしまう。
いや、大丈夫。
見た目はもうどっからどう見てもiPh●neではない代物なのだ。
名前さえ変えてしまえばこっちの物だ。
我ながら単純思考だけど、ヤッタ! この裁判、勝ったぞ!
★イケメンさんの【 Physical 】は、【 1pt 増加 】しました。
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